北朝鮮国営の朝鮮中央通信は31日、先の米韓首脳会談で合意されたミサイル指針の撤廃は「故意的な敵対行為」だと批判する国際問題評論家キム・ミョンチョル氏の論評を配信した。
米韓は21日の首脳会談で、韓国が開発する弾道ミサイルの射程を800キロに制限していたミサイル指針の撤廃に合意した。これに対し論評は、「これまで数回にわたって『ミサイル指針』の改正を承認して弾頭重量の制限を解除したことにも満足せず、射程の制限までなくすようにした米国の行為は、故意的な敵対行為」に他ならないと指摘。
続けて「米国が南朝鮮のミサイル『鉄鎖』を解いてやった目的は、朝鮮半島と周辺地域で軍備競争をさらに助長し、われわれの発展を阻害しようとするところにある」とし、その延長線上で「われわれの周辺諸国を狙った中距離ミサイルの配備を合法的に実現してみようとする」ものだと断じた。
その一方、「われわれは強対強、善対善の原則に基づいて米国に対するであろうし、朝鮮半島の情勢激化はわれわれを脅かす勢力の安保不安定につながるであろう」とし、米韓の出方をけん制しながらも、対話に応じる余地があることも示唆した。
なお、筆者のキム・ミョンチョル氏は、在日本朝鮮人総連合会の機関紙出身で、日本でも著作を発表してきた金明哲氏であると思われる。