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今年の太陽節(4月15日、金日成主席の生誕記念日)に脱北を図った家族3人が、北朝鮮の保衛部(秘密警察)に逮捕された。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、逮捕されたのはキムさん(53歳)、妻のチェさん(49歳)、そして娘(22歳)の一家3人だ。

3人は、清津(チョンジン)市の浦港(ポハン)区域に住んでいたが、中国との国境に接する茂山(ムサン)に移動して、川を渡って中国に逃げ込もうとした矢先、保衛部に見つかり緊急逮捕された。取り調べで3人は「南朝鮮(韓国)に行こうとしていた」と自白したという。その過程で激しい拷問を受けたであろうことは、想像に難くない。

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太陽節など国家的な名節(お祝いの日)には、金日成氏の銅像などの重要設備に対する警備が強化される。破壊行為などが起これば、市民に動揺が広がり、体制の安定が脅かされかねないからだ。一方で、国境の警備が手薄になるため、脱北、密輸の絶好の機会となってきた。

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キムさん一家も太陽節にタイミングを合わせて脱北を図ったが、住民に「見知らぬ外部の人を見かけた」と通報された。保衛部は、一家を24時間監視しつつ泳がせた上で、国境を越えようとした瞬間に、現行犯で逮捕した。

このような場合、取り調べは居住地の保衛部に身柄を移送した上で行われるが、今回は一家の脱北を手助けしたブローカーが見つかっておらず、現地での取り調べが長引いているとのことだ。一家は管理所(政治犯収容所)送りとなり、少なくとも10年以上の刑に服すことになると見られている。生きて釈放される日が来るかはわからない。

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今回の事件を受けて、茂山など道内一帯の国境沿いの地域に非常警戒令が下され、監視が強化されている。当局は既に、国境に接した咸鏡北道を含めた4道に対して今月7日、住民に対して4時間以上の外出時に報告を義務付けるなど、住民の移動を徹底的に監視する方針を示している。