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北朝鮮の黄海北道(ファンヘブクト)で、100頭あまりの豚が死亡した。しばらく鳴りを潜めていた家畜伝染病、アフリカ豚熱(旧称アフリカ豚コレラ、ASF)が再発したものと思われる。詳細を現地のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

道内の沙里院(サリウォン)市豚牧場(養豚場)の第2作業班の豚舎で今月5日、飼育されていた豚110頭の大部分が死亡した。報告を受けた当局は、道内の豚牧場で消毒作業を行い、病気にかかったり死亡したりした豚を選別して、その場で焼却処分するように指示を下した。

黄海北道の獣医防疫課は、アフリカ豚熱のこれ以上の拡散を防ぐために、豚牧場を徹底した管理下に置き、従業員に対する検査を行い、出荷を一切禁じ、内部で勝手に処理できないように監視を行なっている。また、豚農場から半径10キロの区間に10ヶ所もの哨所(検問所)を設置した。

これは、禁止されている病死豚肉の出荷を行い、人を介して感染が広がることを未然に防ぐ目的があるものと思われる。感染拡大前の先月末、この豚牧場の豚肉が平壌に出荷されたが、実際に口にした平壌市民の間では健康に問題が生じるのではないかと不安が広がっているとのことだ。ちなみに、アフリカ豚熱が人に感染することはない。

(参考記事:金正恩が厳禁「病死豚肉」の流通で収容所送りも

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同時に、他の農場や民間人が自宅で飼育している家畜に感染が広がる可能性があると見て、豚牧場から半径10キロ以内で家畜を飼育している農場、民家に対する消毒を行い、異常な兆候が現れればすぐに通報するように指示を下した。さらに、今月末まで全国すべての道に対して、豚牧場の消毒を随時実施した上で、報告を行うように指示を下した。

一連の動きに対して、豚牧場の従業員からは「ようやく当局もアフリカ豚熱がわが国(北朝鮮)に入ってきたと認めたようだ」との声が上がっている。

一昨年、中国を経て流入したと思われるアフリカ豚熱は各地で猛威をふるい、一部地域では豚を全滅に追い込み、軍事境界線の向こうの韓国にまで広がった。

(参考記事:新型コロナに苦しむ北朝鮮でアフリカ豚熱再発