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在日本朝鮮人総連合会(朝総連)で、金正恩の偶像化が本格的にはじまったことが明らかになった。

28日、NGO「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク(RENK)」の李英和(リ・ヨンファ)代表は、「金正恩偶像化作業」に関する情報を内部協力者から入手。それによると、今月9日に開催された「総連中央委員会第22期第2回会議」において、許宗萬(ホ・ジョンマン)責任副議長が、初めて「金正恩」の名前に言及したという。

許責任副議長は、「金正恩大将に仕え、大将福を享受する白頭の伝統を萬代に光り輝かせ、大将の領導に服従しよう」と発言。この発言は、事実上、朝鮮総連での「金正恩後継体制」における思想教育=偶像化作業の開始と同代表は分析する。

会議では、許責任副議長に続き、地方の支部委員長も「金正恩の偉大性教養を推進する」と発言、その他の参加者からも三代世襲を支持する発言が出たという。

金正恩が公式登場したのは昨年の9月だが、何故この時期に偶像化が公に言及されたのか。その理由について李代表は次のように語った。

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「朝鮮総連の一般の組織員には、父子三代世襲への根強い不満と反発がある。なかには、『三代世襲は(日本の)天皇制と同じだ。三代世襲が事実なら、組織を離れる』など露骨に嫌悪感を表す組織員もいる。こういった声を考慮して、あえて自制してきた」

しかし、6月に副議長のペ真求(ペ・ジング)氏が訪朝時に金正恩の偶像化を進めるように朝鮮労働党から指示を受けたことから、今回の偶像化開始の表明に至ったというのが李代表の見方だ。また、朝総連側は、「三代世襲支持」を公式化した証拠を労働党に示すため、7月9日を会議を記録したDVD(約10分)を北朝鮮にわざわざ送付したとのことだ。

偶像化作業の今後については、不確実であり「前途多難」だと李代表は指摘する。

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「最も大きな障壁は、やはり組織内部の不満と反発だ。朝鮮総連中央本部も、このことは充分承知しているので、当面の偶像化は、中央委員だけを対象にし、一般組織員を除外した。まずは、幹部、その次に一般組織員と段階的な拡大で反発と内紛の可能性を最小限に食い止めようとしている」

反発が予想される「金正恩偶像化」だが、今回の表明に対して、匿名を要求した元朝総連の組織員は、デイリーNKに次のように語った。

「昨年の金正恩の登場以降、組織内では『いつ思想教育がはじまるのか?』と戦々恐々としていた。一般の組織員にとって最も大切なのは高校無償化などの教育問題であって、いまさら三代世襲の思想教育をはじめても大勢は見向きもしない。さらに、組織離れが進むのは避けられないだろう」

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本誌の内部情報筋は、金正恩の偶像化に対して、北朝鮮内部の一般民衆は冷めているという雰囲気を度々伝えている。その北朝鮮内部と同様、総連内部でも三代世襲−金正恩の偶像化に対して、一般の組織員が不満と反発を示し、冷めた目で見るという現象が起きているようだ。