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北朝鮮で今年1月の朝鮮労働党第8回大会後、党中央委員会に新設された法務部に関する文書が全国に配布された。司法機関に対する党の指導を強化するために新設されたこの部署だが、その権限を明らかにすると同時に、副作用を抑える意図があるものと思われる。

デイリーNKの内部情報筋は、党中央委員会の組織指導部から先月20日、「法務部の党機関、企業所、団体検閲(監査)による組織指導部の通報書」という題名の党幹部学習班用の資料が全国に配布され、朝の読報(労働新聞を読む会)、夜の総和(総括)、土曜学習の時間に説明が行われたと伝えた。

資料には「安全部(警察署)、保衛部(秘密警察)、検察所は法務部の決済印がなくとも捜査は可能だが、起訴、刑事訴訟、予審(起訴前の証拠固めの過程)、労働鍛錬隊(軽犯罪者を収監する刑務所)や教化所(一般の刑務所)への収監は勝手にできず、いかなる罪でいかなる刑罰を下すべきかという事件処理の最終結論を下すには、法務部の決済印を受ける必要がある体系が確立された」との内容が記されている。

問題のあった事例として挙げられているのは、法務部の検閲で摘発された、平安南道(ピョンアンナムド)の順川(スンチョン)ビナロン工場の安全部だ。

法律に違反する行為を行なった労働者を摘発した場合、事件は上部機関の順川市安全部を通じて、地元の党委員長、人民委員長(市長)、保衛部長、保安機関の責任者が集まり、緊急事案について議論する安全委員会にかけられ、最終結論が下されるのが本来の流れだ。しかし、工場の安全部は、司法に則った手続きを無視して、単純な教養処分で済ませるべきものを含めて、独断で労働鍛錬刑3年から教化刑5年の処分を下していた。

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また、安全委員会は、司法機関のイルクン(幹部)との関係に応じて、事件の内容を検討することなく、決済していた。

(参考記事:「卑劣なやり方」で吊された北朝鮮の刑務所幹部

組織指導部は、このような法執行の乱用の再発を防ぐために、今後は法務部が監督を行って最終結論を下す形にし、党から人民の心が離れていく現象を防ぎ、党の路線と方針を貫徹させることを目標にしているというのが、情報筋の説明だ。

(参考記事:数百円で量刑を3分の1にできる北朝鮮の司法制度

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資料では、労働鍛錬隊のあり方についても触れている。

今までは、人民保安省(警察庁)や道、市、郡の人民委員会(道庁、市役所)、各機関の直属だった労働鍛錬隊が、党法務部の新設に伴い、それぞれの機関の党委員会の直属に変更された。労働鍛錬隊に対しても党の指導を強化するというものだが、これによる副作用が発生しているとして、国防科学院の事例を挙げた。

国防科学院内に存在する鍛錬隊が、国防科学院内の党委員会の直属機関に移管されたが、その隊長のポストには、党委員長とコネのある人物が就任した。1990年代後半の大飢饉「苦難の行軍」の時代ですら食糧配給を受けられたほど「オイシい」ポストだったが、鍛錬隊が党委員会直属になったことで、さらに地位が高まり、そのポストを狙って裏での争いが起きた。

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辞めさせられた前の鍛錬隊長は「自分は一切間違いを犯していないのに、理由もなくクビにされた」と党中央委員会への信訴(告発)に踏み切った。結局、国防科学院内の党委員会には組織指導部と法務部の厳重警告を受け、前の鍛錬隊長は復職となった。ただ、彼はあと1〜2年で定年退職を迎え、その後には新たな鍛錬隊長を選ぶ幹部事業(人事)が行われることを念頭に置いて、復職させたのだというのがもっぱらの噂だという。

(参考記事:企業に対する党の指導を強化する北朝鮮「経済再生策」に非難轟々

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