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北朝鮮の北東部最大の都市、咸鏡北道(ハムギョンブクト)の清津(チョンジン)には、国内有数の規模を誇る水南(スナム)市場など複数のマーケットがある。残念ながら外国人の訪問は認められていないが、食品、ファッションなど、北朝鮮の今のトレンドを知るには最も適した場所のひとつだとされる。

かつては人でごった返していた市場も、今は閑散とした様子だという。当局が新型コロナウイルス対策として、1日おきの営業しか認めていないのがその一因だ。そんな対策が先月19日から変更されたが、商人からはむしろ以前の方がよかったと不満の声が上がっていると、現地のデイリーNK内部情報筋が伝えている。

コロナ禍を受けた隔日営業体制で、商人の収入は激減し、厳しい生活を強いられていた。貿易停止に加え、国内の移動統制で流通が滞り商品の入荷が減少。営業制限が厳しくなったことで、餓死する人や、コチェビ(ストリート・チルドレン、ホームレス)になる人も増えたと情報筋は述べている。

(参考記事:若い女性3人が中年女性を襲い…北朝鮮「飢餓犯罪」の残虐な現場

そんな状況を把握した道党(朝鮮労働党咸鏡北道委員会)は、コロナ規制を緩和し、新しいコロナ対策を導入した。それは「黙売」と「黙買」だ。

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「すべての住民がすべての売台(ワゴン)を使って商売することを許可する代わりに、隣の商人には絶対に話しかけないこと、客にも値段を知らせるだけで、それ以上の話はしないこと、というのが道党の新たな防疫規定」(情報筋)

違反者は、市場への1ヶ月出入り禁止という厳しいものだ。また客に対しても、商人と余計な話をすれば罰金を科す方針だ。道党は糾察隊(パトロール隊)を結成し、市場を巡回させて、違反事例がないか監視の目を光らせている。

日本の飲食店の中には、食べるときに言葉を発しない「黙食」を掲げるところもあるが、いきさつは不明だがそれと似たような方式を導入したようだ。それなりに苦心の跡が見える対策だが、商人や客からの評判は散々なものだ。

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「糾察隊がいるので、物を売り買いしようにも値段交渉ができず、お互いイライラする。客ももどかしさのあまり買わずに帰ってしまうから商売上がったりで皆が不満だ」(情報筋)

市民は「生活が苦しい市民の事情を考えて生み出したもの」(情報筋)だと、道党の新しいコロナ対策に理解を示す一方で、コミュニケーションそのものが禁止されたことへのもどかしさにため息を付いているとのことだ。

かつては強硬姿勢一辺倒だった北朝鮮のコロナ対策だが、今回の清津の事例も含め、変化が生じていることが見て取れる。両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)では今月3日に始まった封鎖令(ロックダウン)がわずか1日で解除されたが、その背景には市民の強い不満がある。

(参考記事:ロックダウンわずか1日で解除…北朝鮮「コロナ対策」の朝令暮改

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