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国連安全保障理事会の制裁決議に違反し、大量破壊兵器に関わる輸出の仲介をしたとして起訴されていた韓国系オーストラリア人男性の裁判が始まったと、オーストラリアABCやオーストラリアン紙が報じた。

チェ・チャンハン被告は、ミサイル誘導装置の部品と技術、石油、石炭の海外への輸出を企てた容疑で2017年12月に逮捕され、1995年に成立した大量破壊兵器法で起訴された初の事例となった。被告は3年間にわたり勾留され、昨年11月に保釈された。

4日からニュー・サウス・ウェールズ州最高裁で始まった裁判で、検察側は、被告が暗号化された通信手段を使い、北朝鮮の大量破壊兵器の販売を仲介する謀議を行ったと主張。また、北朝鮮を7回以上訪問し、北朝鮮の銀行に口座を持ち、周りに金正恩総書記とのコネがあるなどと語っていたなどとし、7つの容疑すべてに関して有罪を求めた。一方で、チェ被告はすべての容疑を否認していた。

10日の審理で、大量破壊兵器輸出など5つの容疑は取り下げられたが、チェ被告は、北朝鮮からの武器と戦略測定装置の輸出の仲介と、イランから北朝鮮への石油輸出の仲介の2件の制裁関連の法律違反については容疑を認めた。チェ被告は最高で懲役10年の刑を受ける可能性がある。

(参考記事:北朝鮮と中国、イランに合同代表団を派遣か…米メディア報道

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検察側は、逃亡の恐れが高まったとして拘留を申請したが、被告側の弁護士は保釈条件を厳守することと、被告が糖尿病患者であることを主張。保釈の継続を求め、裁判官に受け入れられた。

韓国生まれのチェ被告は、1987年にオーストラリアに移住、2000年に同国の国籍を取得した。エンジニア企業を経営していたが、2008年ごろから北朝鮮を擁護するような発言を行うようになり、北朝鮮を「母国」と呼んでいたと伝えられている。

オーストラリアの韓国語ネットメディアのトップデジタルは2019年、チェ被告は予備審理で「公正な裁判を受けられない状態」「私は社会主義者として政治的信念で拘禁された政治犯だ」として、起訴の取り消しを要求したと報じている。

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オーストラリアは、国連安保理の制裁決議に加え、北朝鮮に対して独自制裁を課している。

(参考記事:オーストラリア、対北朝鮮独自制裁案を公表