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日本政府は太平洋戦争勃発直前だった1941年、武器生産に必要な金属を補うために、金属類回収令を制定した。

各家庭には、煮炊きに必要な鍋釜の供出が求められ、お寺の鐘、銅像なども回収された。しかし、その全てが活用されたわけではなく、敗戦まで放置されたものもあったと言われている。

それから10数年後。今度は中国で、鍋釜の供出令が出された。英米に追いつけ、追い越せで鉄鋼生産を増やそうと目論んだ毛沢東主席は、各地に原始的な土法炉を作らせ、鍋釜や鍬を溶かして鉄を作らせた。

ところが、できたものの多くが使い物にならない粗悪品だった。そんなものを作るために農業生産に必要な農機具が失われ、他の失策が相まったことで、深刻な不作となり、数千万とも言われる餓死者を出す大惨事となった。

このような賢明とは言い難い政策を未だに捨てずにいるのが、北朝鮮だ。

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北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は2012年4月、全国から供出させたクズ鉄で、砲弾を製造し、軍部隊に贈ったと誇らしげに報じている。さすがに土法炉を使うことはないが、このような「有休資材供出キャンペーン」は毎年行われている。

(参考記事:北朝鮮、学生らの「クズ鉄集め」めぐり大乱闘も

そして、今年もまたクズ鉄集めの大キャンペーンが始まったと、咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。

北朝鮮では現在、来年1月開催予定の朝鮮労働党第8回大会に向けての大増産運動「80日戦闘」の真っ最中だが、茂山(ムサン)郡の人民委員会(郡庁)は、「80日戦闘を光り輝く労力的成果で迎えよう」とのスローガンを叫びつつ、郡内の人民班(町内会)に対して、「古鉄やクズ鉄を集めよ」との指示を下した。以前のキャンペーンでは2キロだった1世帯あたりノルマが、なんと10キロに増やされた。

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この「社会主義鋼鉄戦線により多くのクズ鉄を送ろう」キャンペーンは、毎年行われているが、ないところから搾り取り続けて、もはや供出するものは残っていない。

「過去数十年間のクズ鉄集め事業で、クズ鉄を見つけるのはもはや不可能だ。人民委員会は、そんな実態を知りつつも、クズ鉄集め事業を党と首領に対する忠誠心に結びつけ、住民を締め上げている」(情報筋)

クズ鉄の供出ができない場合、1世帯5000北朝鮮ウォン(約60円)を現金で支払うか、10日間の労働鍛錬刑(短期間の懲役刑、強制労働)を受けるかの選択を強いられる。人民班には概ね20世帯、1つの洞(町)には50の人民班があると仮定すると、当局には500万北朝鮮ウォン(約6万円)の現金が転がり込むという「錬金術」だ。

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クズ鉄集めの名目は、台風による被災地の支援ということだが、実際に使われるのは1割だけで、残りの9割は幹部の懐に入ると、情報筋は見ている。

中には、製鉄所に行ってクズ鉄を買い取って供出したり、いくばくかの現金を払って、クズ鉄を納めたとの証明書をもらってきて提出したりする人もいて、もはや何の意味もなしていない。

クズ鉄集めが終わっても、供出のオンパレードは止まらない。新年を迎えると、不足する肥料を補うために、人糞集めの大キャンペーンが大々的に展開されるのだ。割り当てられた人糞のノルマを満たす「人糞ブローカー」が暗躍したり、人糞泥棒が横行するため、トイレで寝ずの番をしたりと、まっとうな経済活動そっちのけで、全国的に大騒動となるのだ。

(参考記事:北朝鮮「人糞が足りなければ刑務所行き」

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