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北朝鮮が、昨年から今年にかけて試射を公開した新型の超大型ロケット砲の実戦配備を進めているもようだ。

デイリーNKの現地情報筋が伝えたところによると、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)最高司令部は先月24日、黄海北道(ファンヘブクト)の新渓(シンゲ)郡に本部を置く戦略軍ロケット連隊傘下に、新型ロケット砲を装備する2個大隊を新たに編成する命令を下した。

(参考記事:「奇襲的な打撃で敵を焦土化」北朝鮮、超大型ロケット砲を試射

口径600ミリの超大型ロケット砲は射程が最大で380キロに達すると見られており、新渓郡周辺に配備された場合、韓国のソウル首都圏を超え、F35Aステルス戦闘機が配備されている中部の韓国空軍清州(チョンジュ)基地までをもカバーすることになる。

情報筋によれば、今回の2個大隊新設は「出来るだけ多くの火力を集中し、短時間で敵の牙城を焦土化しようという戦略」に基づくものだという。

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情報筋はまた、「軍は武力総司令官(金正恩党委員長)の指導の下、砲兵とロケット(ミサイル戦力)の増強に全力を挙げているが、攻撃能力にばかり集中し、防衛能力の構築は遅れている」と指摘。続けて「防衛システムの研究開発にはより多くの資金が必要であることを、上層部も理解している。だからこそ、高度な精密打撃が可能な攻撃手段の配備に力を入れるしかない」と、苦しい内情も吐露した。

米韓軍はレーダーに捕捉されにくいステルス戦闘機を装備し、韓国軍は命中精度の高い単距離弾道ミサイルや巡行ミサイルの導入も進めている。北朝鮮が、これらを迎撃するシステムを構築するのは技術的にも財政的にも困難と見られ、開戦初期に各種ミサイルやロケットを集中投入する先手必勝、短期決戦の戦略を軸とせざるを得ない現状にあるものと見られる。