幹部、富裕層から青少年へ 蔓延する麻薬

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北朝鮮の麻薬使用が深刻であると伝えられているが、最近では、若者の間でも麻薬を使わないとイジメを受けるほどに一般化している。

また、市場の商売と家事までしなければならない女性の場合、精神的、肉体的な苦痛を忘れるために麻薬に依存しているという。

北朝鮮での麻薬は、2000年代から生産地の咸興(ハムン)や平壌を中心に、幹部や富裕層の間で徐々に広がり始めた。2000年代半ば以降には、清津(チョンジン)や新義州(シニジュ)などの国境地域にまで急速に拡散したという。

【参考記事】北の青年層で麻薬が流行…幹部や富裕層の子弟の間で蔓延

脱北者によると、事態の深刻性を認識した金正日は、麻薬の根絶を目指し、2008年から取り締まりを強化しているが、あまりにも広範囲で広まっているために、当局も手の施しようが無い状況だ。

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取り締まりを行う保衛指導員だけでなく、党職員や法官、幹部らもクスリ漬けだという。

両江道の消息筋は「14〜18歳の若者の間では、ビンドゥ(覚せい剤)をしないとイジメを受けるほど。2007年から少しずつ広まったが、今では1クラス(平均30人)で、5〜7名ほどが手を染めているのが実情」と伝えた。

青少年が麻薬を吸引する場所は、親が仕事で空けている家、石炭倉庫として使わていれる学校の裏庭や倉庫などである。少人数で行うのでは無く、集団的に麻薬を吸引する。

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この消息筋は、青少年が麻薬を購入する方法について「最初は親の麻薬を少し盗んで使う程度だったが、後々にはお金を出しあって麻薬を購入する」と説明した。

また、青少年らは大人が使っている「A級」(1グラム100人民元)は、購入することができず、「B級」(1グラム50人民元)を購入するという。

2009年に韓国に入国した清津出身の脱北者は、「都市の1つの洞は1600世帯が住んでいるが、16〜30歳の若年層の麻薬使用率は6割ほど。しかし、今はもっと増えている」と述べた。壮年層の麻薬服用は、30〜40%程度に達するという。

薬の代わりに「万能薬」として使われる麻薬

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この脱北者によると、男性よりも女性の麻薬中毒が深刻だという。「女性は夜に電気が来る時間帯に市場で売る餅やお菓子などを作り、家事もこなさなければならない。麻薬を使えば仕事もはかどるので多くの女性が服用している」と伝えた。また、売春婦らは麻薬を使ってから売春行為をしていると付け加えた。

両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市出身の脱北者も、北朝鮮の麻薬実態について「北朝鮮ではまともな薬がないため万能薬として使われている。金がない場合には、家財道具を売ってまで購入する」と実状を伝えた。

A級1グラムが買える100人民元は市場でコメ20キロが買えるほどの金額だ。しかし、麻薬が蔓延し、お金が手に入っても食料を買わずに麻薬を買う人もいる。

また、以前は挨拶代わりにタバコを勧めていたが、今では麻薬を勧めることが一般化し、幹部にも賄賂として麻薬を渡す。

清津出身の脱北者は「最近では麻薬が一般化し、食料よりも多く流通している。私がいるときには、賄賂として薬を渡し、大学に入学するときにも渡した」と説明した。

また、成長期の若者には、麻薬服用が脳の発達に悪影響を与える可能性が高い。

青少年の成長に悪影響

ハナ院の元精神科・公衆衛生医師で、明知大のチョン・ジンヨン精神科医はデイリーNKに次のように説明する。

「北朝鮮の青少年のように、栄養状態が悪い状態で麻薬を服用する場合、成長の障害や脳の発達に影響を及ぼすだろう記憶力、集中力の低下などの障害をもたらす可能性がある」

脱北者の多くは、北朝鮮を脱出後に第3国で長期滞在を行い、金銭的にも余裕がなかったため、麻薬を長期に渡って服用しておらず、禁断症状などの後遺症は比較的少ないという。

韓国で麻薬と関連した脱北者の検挙はほとんど無く、ソウル警察庁・国際犯罪捜査隊の関係者は「2008年以降、麻薬事件で脱北者が摘発された事例はない」と語った。