ここ数年の北朝鮮住民の間で、北朝鮮当局が金正日一家の偉大性と体制の結束を訴えるスローガンを皮肉る風潮が広がっている。
住民は、生活苦の不満を『政治的スローガン』に込めて揶揄したり、時には反国家的な行動の言い訳にするとのことだ。
北朝鮮は、金日成、金正日、金正恩という三代にわたって忠誠心を鼓吹するためや、朝鮮労働党の方針を伝える宣伝し扇動するために、「クホ」というスローガンを日常的に使う。代表的なものに「党が決心すれば我々はやる」(1980年代中頃に登場)というスローガンがある。本来は、金正日が発する「党の決心」を、住民は無条件に貫徹するという意味が込められている。
「そちらがその気なら…」
ところが、これらのスローガンが、誤った行動を合理化するための言い訳になるという皮肉な現実がある。