金正恩「秘密の家系図」が北朝鮮国内で拡散、当局緊張

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北朝鮮北部、両江道(リャンガンド)の恵山(ヘサン)の市民の間では最近、「白頭の血統家系図」なるものが拡散している。

「白頭の血統」とは金正恩党委員長につながる金氏一族のことを指すが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)の現地の情報筋は、その家系図の内容を次のように説明した。

「金日成主席と金正日総書記には複数の夫人がいて、金正恩氏は金正日氏の正妻ではなく妾との間で生まれた3番目の息子で、事実上『白頭の血統』とは程遠い」

この「妾」とは、大阪出身で1962年に北朝鮮に帰国した在日朝鮮人の高ヨンヒ氏のことで、1970年から金正日氏と同棲生活を始め、金正哲(キム・ジョンチョル)、金正恩、金与正(キム・ヨジョン)の3人の子の母となった。

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彼女以外にも金正日氏は、わかっているだけでも生涯に5人の女性と関係を結んでいる。その中には、クアラルンプール国際空港で暗殺された金正男(キム・ジョンナム)氏の母の成恵琳(ソン・ヘリム)氏や、唯一の正妻で3番目の妻と言われている金英淑(キム・ヨンスク)氏も含まれている。

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ややこしい関係だからこそ、余計に人々の好奇心をくすぐるのだろうが、金氏一族のプライベートについて言及すること自体が極めて不敬なこととされ、バレれば重罪は免れない。また、「監督不行き届き」として、管轄の安全署(警察署、旧称保安署)や保衛部(秘密警察)までが責任を負わされる可能性もある。

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両江道安全局(道府県警本部に相当)と保衛局は、新型コロナウイルス対策で国境が封鎖されているのに、この手の不敬な情報が流れているのは、違法に持ち込まれた中国キャリアの携帯電話のせいだと見て、大々的な取り締まりを始めた。そんな携帯電話を持っているだけで、最高尊厳(金正恩氏)を毀損する情報など、体制を脅かす内容を拡散させかねないとして、所有者をしらみつぶしに探しているという。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋は、15日に茂山(ムサン)で行われた脱北者糾弾大会に参加した人2人が、違法な携帯電話を所持していた容疑でその場から連行されたと伝えた。恐怖心を煽るためのショーのネタとして利用された形だ。

ところが困ったのは、脱北して韓国に住む家族を持つ人たちだ。彼らは、中国キャリアの携帯電話を使いブローカーを通じて韓国の家族から仕送りを受けているが、取り締まりの強化で受け取れなくなり、暮らしていけないというのだ。

困るのは脱北者家族だけではない。保衛部は、あれこれ理由をつけて仕送りの一部を脅し取ることで収入としてきたが、取り締まりを強化すれば、自分たちの収入も減ってしまうのだ。

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