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1999年8月9日。大紅湍郡の視察をした金正日総書記が、車窓の外に広がるジャガイモ畑を眺めながら「間抜けな奴らだ」と随行した幹部たちに毒づいた。

ジャガイモ畑の入り口ごとに「ジャガイモこそ白米だ!」という大型のスローガンがかかげられていた。

金正日総書記が、1年前にここを訪問した時、幹部たちに「ジャガイモは白米と同じだ」と言ったため、現地の幹部と党の宣伝扇動部が、ジャガイモ畑ごとにこのスローガンをとり付けるように指示したのだ。

いくら、ジャガイモ農業が重要だと言っても、主食の米と同じというのは、誰が見ても常識はずれの話だった。金正日総書記は、このスローガンは自分が言ったものだということを忘れていたのだ。

大紅湍郡のジャガイモ農場の碑石の前で車を止めた金正日総書記は、責任副官に「いったいどんな奴が、あのように言ってまわっているのだ。ジャガイモが白米とはどういうことだ」と言って腹を立てながら、ジャガイモの収穫の作業現場を訪問した。

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