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この時、災難に遭ったのが両江道大紅湍郡の党組職書記(※注)だ。

(※注=郡の党委員会で、組織運営を担当している書記)

金正日総書記が大紅湍郡を訪問すると、ジャガイモ農業と地方の工業問題を報告するために、大紅湍郡の組職書記が金日成の銅像の前で待機していた。当時、大紅湍郡の責任書記だったキム・ジョンスルは赴任して間もなかった。

当時、北朝鮮の労働党の幹部たちは、金正日総書記の身なりや帽子、後ろに少し身を反らす姿勢まで真似なければならないと考えていた。特に、へつらっている幹部は金正日総書記の全ての行動を真似ようとする。

「お前は何者だ!」怒声に震える

組職書記はスピード出世のチャンスだと思い、満を持した。

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