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新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、各地でマスク不足が深刻化している。マスクの不足を見越して1月末にマスクを買い上げ、輸出や購入に制限をかけた台湾は混乱の回避に成功した。

一方で日本は、菅官房長官が先月12日の記者会見で「1月28日に(マスク)の増産を(メーカーに)要請した」と発言し、同月26日の衆議院予算委員会でもマスクの増産を要請していると発言しているが、マスク不足が依然として続いている。

韓国では、キリスト教新興宗教「新天地」での集団感染が明らかになった1月末からマスクが不足するようになり、政府は大量に供給する方針を示したが、それでも解消せず、国が買い上げた上で郵便局、農協、薬局で1枚1500ウォン(約128円)で販売するシステムに変更した。さらには、出生年の末尾で購入日を制限し、1週間に1人あたり2枚しか買えないという、台湾と同様の制度を9日から始めた。

デイリーNKの内部情報筋によると、北朝鮮でも2月初めにはマスク不足が発生したが、それ以降は問題なく購入できる状態となっていて、不足状態にはない。ちなみに、北朝鮮で売られているマスクは、布製のものが一般的だ。

かつては1枚4000北朝鮮ウォンで売られていたが、1月下旬から6000北朝鮮ウォンに上昇、一部では7000北朝鮮ウォンまで上がったが、今では供給が増えたため、1枚2000北朝鮮ウォンで売られている。(1000北朝鮮ウォンは約12円)

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マスク供給が増えた理由について情報筋は言及していないが、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)が韓国から取り寄せたものが市中に出回っているわけではないようだ。ちなみにこのマスクだが、取り寄せた後で韓国製のラベルを剥がす作業が行われた。

しかし、一部にはラベルがが残っていたようで、朝鮮中央テレビに登場した医師が使用していたマスクに韓国の柳韓キンバリー社の刻印があったことから、「韓国政府が北朝鮮に密かにマスクを援助した」というフェイクニュースが韓国のネットを中心に広がってしまった。統一省は4日の記者会見で公式に否定している。

(参考記事:北朝鮮軍がマスクを「産地偽装」して密輸している

北朝鮮においても、価格は安定していても供給に問題がないわけではないようだ。読売新聞によると、韓国は北朝鮮に対して水面下で試薬や医薬品を提供を申し出たが、それに対して北朝鮮はマスクの提供を求めた。しかし、韓国は国内での不足を理由にこれを拒否している。

(参考記事:北朝鮮が国民に呼びかけたコロナ対策「塩水を使え」

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一方で、中国産のコメは1月初めに4200北朝鮮ウォンだったのが、2月に入って6000北朝鮮ウォンに上がったが、今では5240北朝鮮ウォンまで下がった。砂糖は2割ほど上がって1キロ5600北朝鮮ウォンで売られている。

海産物の価格は下落傾向にあり、昨年末まで7000北朝鮮ウォンだったわかめは5000北朝鮮ウォンまで下がった。国境封鎖により中国への密輸ができなくなったことで、国内流通が増えたことによるものと思われる。