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12日、訪朝したハンスサイデル財団ソウル事務所のベルンハルト・セルゲル代表は「北朝鮮の携帯電話加入者が55万人に達している」と明らかにした。

先日、訪朝したセルゲル氏が、北朝鮮当局と合弁で携帯サービスを提供しているエジプト・オラスコム社の関係者から聞いた話だという。

この日、『朝鮮BIZ』(朝鮮日報系のビジネスサイト)の主催で『北朝鮮移動通信市場現況と投資機会および戦略』が開催された。これに参加したセルゲル代表は「北朝鮮の携帯電話利用者は55万人まで拡大した。オラスコムは、今年末までの加入者100万人を目標にビジネスを進めている。もはや、少数の特権階級だけが携帯電話を使うわけではない」と話した。

開会の辞では、オム・ジョンシク統一部次官が「2008年12月にオラスコムと北朝鮮の合弁ではじまった携帯サービスは、昨年末の時点で45万人にものぼる」と語ったが、それと比較した場合、わずか2〜3ヶ月で10万人が増えて事になる。

セルゲル代表は「オラスコム社は、北朝鮮の指導層が要求するサービスを集中的に提供している。しかし、同社は北朝鮮全域を通話圏内としてサービスを供給しており、これによって携帯電話を使用する層が広がっている」と携帯サービスの肯定的側面を強調した。また、「北朝鮮の一般庶民や低所得層は、携帯電話に加入出来ないが、通信費用を負担できる中産層が多い」と説明。

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「大都市だけでなく地方都市でも携帯電話を使える場合がある。咸興、元山へ向かうなかで使ってみたが、問題なく通話が出来た。これだけ見ても、オラスコムのサービスが北朝鮮の広い範囲にわたっていることを意味している」とのことだ。

また、金日成大学の講師からも多くの大学生が携帯電話を使っている話を聞いたと紹介した。

一方、ファン・ソンWン情報通信政策研究員北朝鮮放送通信研究センター長は、北朝鮮の通信インフラの現況を紹介するなかで「北朝鮮ではインターネットが国防や研究開発の分野で使用されていると把握している」と説明した。

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「インターネットは国防や研究開発分野、金策工科大、金日成総合大学など一部地域に限って約5万人が使っていると推算される」という。

しかし、ファン氏によれば、北朝鮮内ではインターネットではなく、通信速度の遅いイントラネットが使われているという。インターネットに接続するためにはモデムを利用する必要があり、速度は30kbps〜1mbps程度で動画の再生はおろか、ウェブ視聴にも相当な時間がかかるとのことだ。

ファン氏は北朝鮮の携帯事情に関連して、「北朝鮮の公衆電話は1990年代に初めて登場したが、現在の携帯電話の普及が拡大しているせいで、廃止論もある」と話した。