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中国での新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、北朝鮮は28日から中国との貿易を全面的に一時停止する措置を取ったと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

RFAは平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋の話として、中国遼寧省の丹東から北朝鮮平安北道の新義州(シニジュ)に入るトラックの通行を全面的に禁止する措置を取ったと報じた。

28日朝に丹東の貿易業者が、物資を積んだトラックを丹東税関での通関を終えて北朝鮮に向かおうとしたところ、入国が拒否された。「中国で広がっている恐ろしい伝染病に対処するために、貨物の移動を遮断せよとの当局の指示があった」とのことだ。

また、北朝鮮の保健当局は今月中旬から、新義州税関を通じて入国した貿易会社の幹部や一般国民に対する面談調査と、ウイルスに感染しているかの調査を行い、中国からの入国そのものを厳しく制限している。2003年にSARSの感染が拡大したときよりも、物々しい雰囲気に包まれていると伝えている。一方で中国側は、北朝鮮からの人や物資の入国について規制する措置を取っていない。

平壌のデイリーNK内部情報筋も、「国境を閉鎖するほど強力に出入国管理を行え」との指示が上部から下され、中国へと繋がるすべての税関に、内閣保健省の職員が派遣されたと伝えた。

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入国者は厳しい調査を受けた上で入国が認められるが、2週間隔離される。北朝鮮と中国を結ぶ国際列車は今のところ運行を続けているが、事態がさらに深刻化すれば運行停止もありうると情報筋は伝えている。

北朝鮮は22日から、外国人観光客の受け入れを取りやめている。

(参考記事:北朝鮮、22日から外国人観光客の受け入れを一時中止

同じ遼寧省の瀋陽に住む住民は、RFAの取材に、瀋陽駐在の北朝鮮領事館が27日付で「新型コロナウイルス発生と関連し、(北)朝鮮出入国査証(ビザ)を発給を行わない」との通知を貼り出したと伝えた。丹東の北朝鮮領事支部にも同様の通知が貼り出されている。

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領事館職員は、現地の中国人との接触を避けるなど、ウイルスに感染しないように特段の措置を取っている。また、当局から感染者が発生すればすぐに報告せよとの指示が下された。

「もし中国の武漢のようにウイルスが(北)朝鮮に広がれば、防疫体制がしっかりしておらず、医薬品も不足しているわが国(北朝鮮)にとっては、死の恐怖に包まれざるを得ない。感染した住民が集団で倒れでもしたら、金正恩体制そのものが大きく脅かされる」(情報筋)

ただ、対外貿易の9割以上を中国に依存する北朝鮮にとって、中朝貿易の一時停止は体制を土台から揺るがしかねないリスクを秘めている。

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(参考記事:「わが国に入ってきたら終わり」北朝鮮国民、新型肺炎に震撼