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韓国の大邱市で17日、60代の脱北者男性が遺体で発見された。警察は自殺と見て捜査に乗り出した。

韓国の聯合ニュースによると、17日午前、大邱市郊外の共同墓地付近で脱北者のAさん(62)が遺体で発見された。警察は、Aさんが14日に知人との連絡を絶ち、家には「生きるのが苦しい」とのメモを残していたと明らかにした。

2008年に脱北し、韓国に定住したAさんは、仕事もなく一人で暮らしてきた。警察関係者によると、韓国にいる肉親はソウル近郊に住む甥1人だけだったという。

保守色の強い大邱は、脱北者にとって決して暮らしやすいところとは言い難いようだ。

大邱市議会のチェ・グァンギョ議員は、韓国統一省の資料を引用し、2015年10月の時点で大邱に定住している脱北者は1692人だが、実際に住んでいるのは42%の705人に過ぎないと述べ、その理由に就職の困難さとともに、排他的で保守的な大邱の雰囲気を挙げた。

(参考記事:脱北者が「脱大邸(テグ)」するワケは? スパイ呼ばわり、就職難・・・

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ちなみに、統一省の昨年6月末の集計によると、対象となった脱北者3万542人のうち、人口243万人の大邱市に在住しているのは673人で全体の2.2%に過ぎない。全体のほぼ3分の2にあたる19827人はソウル首都圏在住だ。

脱北者が多いからと、脱北者に優しい社会とは言えないだろう。今年7月に起きた脱北者母子餓死事件は、貧困層に転落した脱北者に対する韓国政府の支援に穴があったことを示す事件で、韓国社会に衝撃を与えた。

(参考記事:飢えから逃れたどり着いた韓国で…ある脱北者母子の悲劇