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韓国商業銀行・朝鮮半島新経済研究センターのイ・ユジン研究委員が2018年に発表した論文によると、北朝鮮全土には朝鮮中央銀行の支店が9店舗、地方商業銀行は210店舗がある。しかし、銀行を利用する人はほとんどいない。信用もなければ、利用する価値もほとんどないからだ。

それどころか、銀行に預金すると国に奪われるというのが、国民の間で半ば「常識」となっている。

1990年代、国の財政難を解消するために預金の奨励が行われていたが、一度預けると引き出すのは困難だった。また、2009年の貨幣改革(デノミネーション)の際には、旧紙幣から新紙幣への交換上限額をきわめて低く設定し、残りの現金は銀行に預けさせた。つまり国民は、財産のほとんどを奪われたも同然となったわけだ。

デノミで財産を失った北朝鮮の人々は、「銀行に金を預けるなら大同江に投げ捨てた方がマシ」と言うほど銀行に対して不信感を持つようになり、北朝鮮ウォンは完全に信用を失い、外貨で物を売り買いすることが一般化してしまった。

国際社会の制裁で、苦境に立たされている北朝鮮は、なけなしのカネを国民のタンス預金からかき集めるために、再び銀行を利用しようとしている。米政府ラジオ・フリー・アジア(RFA)は平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋の話として、次のように伝えた。

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道内の順川(スンチョン)では、今月から毎月の銀行預金が義務化された。「1000北朝鮮ウォン以上(約13円)で、5000北朝鮮ウォン(約65円)でもよい、良心に従って決めなさい」ということだが、税金代わりの上納金の「忠誠の資金」を集めるときと同じレトリックが使われている。金額は自由に決めて良いという説明を信じて額を少なくしたら、後で「忠誠心に問題がある」などと責められるというパターンだ。

(参考記事:「税金なき国」で税金に苦しめられる北朝鮮の人々

今回のキャンペーンは、2006年に改正された商業銀行法に基づいて設立された地方銀行の予算残高を上げるために、朝鮮労働党の順川市委員会が主導して行っている。集まった資金は、国営工場の運転資金に充当され、地方経済の活性化に役立つというのが呼び文句だ。

しかし、誰も口座を作ろうとしないので、当局は勝手に世帯主名義の平安南道商業銀行の口座を開設し、預金の預け入れや引き出しは従来の貯金所(銀行の預金業務だけを扱う小規模な支店)ではなく、人民班長を通じて行う形にした。つまり、忠誠の資金や物資の取り立てと同じ形で、人民班長が家々を訪ねて、「預金しろ」とプレッシャーをかけるというものだ。

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RFAの別の情報筋によると、平安南道商業銀行は改正商業銀行法に基づいて2016年に設立、2017年から営業を始めた。北朝鮮有数の卸売市場のある平城(ピョンソン)では、トンジュ(金主、新興富裕層)のおカネを預かり、国営企業に融資する形の営業を行ってきた。

(参考記事:「銀行に預金するのはバカ」との不名誉克服を目指す北朝鮮の金融システム

平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋は昨年4月、地方の商業銀行に預金すれば10%の利子が付くと好評で、実際に利子を受け取ったという人の話が出回り、数万ドル単位の預金をするトンジュが現れたと伝えた。

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地方の商業銀行は、そもそもが庶民のタンス貯金をかき集めて地方経済の活性化の資金として使う目的で設立されたが、融資を受けられるのは国営企業だけで、本来なら上客になるはずの、不動産の売買を行っている個人への融資は禁じられている。そのため、経営状態も芳しくなく、地方経済活性化という本来の目的を果たせずにいる。

結局は、利子が高くても利用しやすいヤミ金業者に頼るしかないのだ。

政府は、商業銀行を市や郡にも開設し、高利回りを得られると売り込んではいるものの、預けたところであれこれ言い訳を並び立て、預金の引き出しを拒む銀行に積極的に預けようとする人はないようだ。

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