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今年初めから伝えられていた家畜伝染病「アフリカ豚コレラ」の北朝鮮での感染が、初めて公式に確認された。

韓国の農林畜産食品省は、北朝鮮が中朝国境を流れる鴨緑江に面した北朝鮮の慈江道(チャガンド)雩時(ウシ)にある協同農場で先月23日、家畜伝染病の「アフリカ豚コレラ」が発生したことを、国際獣疫事務局(OIE)に申告した。

現地のデイリーNK内部情報筋は今年2月、平壌郊外の兄弟山(ヒョンジェサン)区域、勝湖(スンホ)区域の民家で飼われていた豚が次々と病死し、平安北道(ピョンアンブクト)の亀城(クソン)でも豚が次々に死ぬ熱病が広がったと伝えていたが、アフリカ豚コレラであると公式に確認されたのは今回が初めてだ。

北朝鮮各地からは、この病気の感染が拡大しているとの声が伝わっている。

両江道のデイリーNK内部情報筋は、恵山(ヘサン)では今のところアフリカ豚コレラが発生したとの話はないが、白岩(ペガム)に行ってきた人から、咸鏡南道(ハムギョンナムド)や平安南道以南のほとんどの地域で、アフリカ豚コレラが発生していると聞いたと伝えた。

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実際、平安南道の情報筋は、今月初めから平城(ピョンソン)や价川(ケチョン)市場で肉類の販売規制が始まったと伝えている。

本来、市場で販売する肉類は、市場にある「獣医哨所」で検査を受けなければならないが、タバコ1箱を渡せば検査なしで合格扱いにしてもらえるなど、検査体制は有名無実化していたが、今では規則通りに非常に厳しい検査が行われるようになった。これは「個人の肉類販売の調査、取り締まりを行え」との指示に基づいた措置で、ソーセージなどの中国製の肉製品に対しても非常に厳しい取り締まりが行われている。

平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋は、新義州のみならず隣接する義州や朔州でもアフリカ豚コレラと豚の病気が流行っているとの噂が広がっていると伝えた。情報筋は感染が道内全体に広がっていると見るべきだと述べた。

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別の情報筋は、先月17日の時点で新義州の市場で豚の熱病のせいで豚肉販売が禁止されていることを伝えている。また、他にも病気が広がり始め、防疫担当者が民家を周り消毒薬を散布したとも伝えた。

一方、両江道(リャンガンド)金亨稷(キムヒョンジク)郡で家畜を中国から密輸している人は、現地では病気の話がまだ届いていないとしつつ、中国の業者からは「北朝鮮全域でアフリカ豚コレラが広がっていることを知っている。子豚の密輸で捕まれば重罰になるので当分密輸はできない」と言われたと伝えた。

北朝鮮は2014年、エボラ出血熱が遠く離れた西アフリカで発生したことを受けて、外国人の入国を禁止し、帰国した自国民を隔離するという過剰とも言える対策を取っている。伝染病が拡散すれば対処できるほどの体制を備えていないからだ。

(参考記事:北朝鮮がエボラ強制隔離措置を解除 外国人観光客受け入れも再開か

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アフリカ豚コレラは、元々はサハラ以南のアフリカにしかない感染症だったが、2007年にジョージア(旧グルジア)に侵入、ヨーロッパ全体に拡散後、去年8月には中国遼寧省で発生して全土で猛威を奮っている。

ヒトには感染しないものの、汚染された豚肉製品に長期間ウイルスが残留し、新たな感染源となりうる。致死率は100%に近く、治療法、予防法は確立されていないため、発生が確認された地域では、周辺の養豚場を含めて予防的殺処分で対処するしか方法がない。(※日本で発生している「豚コレラ」とは別のもの)