K-POPを代表するアーティスト、防弾少年団(BTS)。そのファンはARMY(アーミー)と呼ばれ、様々な社会的な活動を行うなど、単なるアーティストとファンの関係を超えた存在となっている。

そんなARMYが北朝鮮にも存在することは、デイリーNKジャパンでも既報の通りだが、おりからの「非社会主義現象」(当局が考える社会主義にそぐわない行為)の取り締まりで逮捕者が出てしまった。

両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた事件の顛末は次のようなものだ。

旧正月を迎えた先月5日の午後8時ごろ、国家保衛省非社会主義グルパ(摘発グループ)が、恵山(ヘサン)市松峯洞(ソンボンドン)28人民班(町内会)の家々を急襲した。彼らは、両江道史跡館管理所の初級党委員長のミンさんの家にもやってきた。

非社会主義グルパは家の中を引っ掻き回し、タンスの中からに隠されていたDVD3枚と、複数のUSBメモリを見つけ出した。字幕のついていない中国映画のファイルに混じって、BTSのPV、昨年韓国のKBSで放送された韓国ドラマ「一緒に暮らしますか?」のファイルが保存されていた。

その場にいたミンさんの23歳の息子と、中学校時代の同級生6人が逮捕、連行された。事件の担当は予審課の秘書(総責任者)だ。つまり、重大事件扱いということを意味する。

息子が逮捕されたミンさんは「中国は兄弟国でさらに親しい関係を築いているのに、なぜ今も昔も(中国映画を)不順録画物扱いするのか」と不満をぶちまけているという。

K-POPに加え韓流ドラマのファイルまで発見されたため、近隣住民は「逮捕された彼らは厳罰に処されるだろう」と噂しているというが、比較的軽い罰で済まされる可能性もなくはない。

逮捕されたミンさんの息子は朝鮮人民軍(北朝鮮軍)に入隊後、軍事境界線付近の最前線の第5軍団で勤務していたが、鑑定除隊(病気などの理由で軍を辞めること)で自宅に戻っていた。情報筋はその理由を明かしていないが、親のコネとカネで劣悪な環境の軍の生活から抜け出した可能性も考えられなくはない。つまり、今回の件でも大目に見てもらえる可能性があるということだ。

ただ、韓流の取り締まりが強化されている今、カネとコネが通用するかは未知数だ。

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