一部の韓国メディアが報じていた、北朝鮮の金正恩党委員長の年内の訪韓について、韓国の青瓦台(大統領府)の関係者が「難しい」と述べたと聯合ニュースが報じた。

訪韓が有力とされていたのは今月18日から20日だったが、この日程については北朝鮮国内からも「ありえない」との声が上がっていたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

理由のひとつが、金正日総書記の命日(今月17日)だ。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、現地は1ヶ月に及ぶ金正日氏の哀悼期間に突入しており、当局の住民に対する統制も強化された。特別な理由がなければ道(都道府県)の境界を越えることも、冠婚葬祭を行うことも許されない。

また、期間中に起きた山火事や一般的な事故ですら「南朝鮮(韓国)情報機関の司令を受けた反政府陰謀策動」という政治的事件扱いになるため、住民は行動に最大限の注意を払っている。

国全体が緊張に包まれているというのに、「そんな状況で元帥様(金正恩氏)が平壌を留守にして南朝鮮を訪問するなんてありえない」と情報筋は見ている。

一方、両江道(リャンガンド)の情報筋は、金正恩氏の年内訪韓について「ないだろう」と述べ、その理由として哀悼期間に加え、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の冬季訓練を挙げた。軍が大規模な訓練を行っている最中に金正恩氏が平壌を留守にして、よりによって南朝鮮を訪問するとは考えにくいとしている。

「冬季訓練期間中に最高司令官がいなければ、軍隊の移動を統率する指揮体系に空白が生じる。今月の寒波と配給不足で兵士たちの指揮が地に落ちた状況で最高司令官が留守にすればどんなことが起きるかわからない」

(参考記事:冬季訓練は略奪戦争…「軍人、住民に暴行殺害も」

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