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保衛部は、印刷版にガリガリと文字を刻むガリ版に、筆跡が現れやすいことを考慮し、金日成総合大学の学生の筆跡調査に乗り出した。学生の生活総和(総括)ノートを回収し、投書の筆跡と照らし合わせた。中でも、「優秀学生証」を持った学生を集中的に調べ始めた。

優秀学生証とは、金正日氏の指示に基づき、金日成総合大学が成績優秀な学生に発行したもので、これさえあれば、人民大学習堂(国立図書館)や大学図書館の非公開図書の閲覧も認められる超エリート用フリーパスだ。

大使館街に潜伏

調査の結果、9人の優秀学生がいつも同じ時間に図書館で頻繁に集まっていたことが判明した。9人の生活総和ノートと投書を照らし合わせ、筆跡が似ている点を多数発見した。9人とも大学5年生、6年生で(北朝鮮の大学は最高で6年制)、卒業を控えていたという共通点もあった。