出身成分や家庭土台による差別のない真の無階級社会となり、能力のある人が国の発展のために働いてこそ経済の活性化も期待できるとして、「白頭の血統(金氏一族)」への個人崇拝をも否定した。同時に、権力層が作り出した身分制度のせいで、知能も人格も備わっていない者たちが、祖父や父の七光を利用して幹部に登用されているとして、「それを批判する自由すら奪われた人民の暮らしとは一体何なのか」と批判した。
当時、金日成氏に成り代わり国の実権を握っていた後継者の金正日氏は、国家保衛部(現国家保衛省)から投書について報告を受け、何があっても全員を探し出し、極刑に処すことを命じた。
捜査に取り掛かった保衛部が目をつけたのは、同国の最高学府である金日成総合大学だ。投書が、この大学周辺の逓信所から集中的に発見され、また一般人民は知りえない体制の秘密について言及していたためだ。