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「私が部屋で仲間から祝福されているときのことでした。外から車が停まる音がしたと思ったら、今度はある幹部が部屋をノックして大急ぎで入ってきました。そこで意外な知らせを聞かされました。その幹部は、敬愛する将軍様(金正日)が私をお待ちになっているので、早く行こうと言うのです。逸る気持ちを抑えつつ、車に乗り込んだ私は夢見心地でした。誰彼ともなく与えられるわけではない最上の光栄に預かり、今度は親愛する指導者(金正日)から呼ばれたわけですから、当然のことでしょう」

金正日はこの当時、プロレタリア作家で朝鮮作家同盟委員長だった李箕永(リ・ギヨン)の長男、李平(リ・ピョン)の夫人で元女優の成恵琳と内縁の関係にあった。金正日に妻を奪われた李平は、大同江に身を投げて自ら命を絶ったと伝えられている。

(参考記事:金正日の内縁の妻、成恵琳と高ヨンヒとは?【上】

略奪愛と同時に、不倫までしていた金正日だが、「密営の春」「豊年の歌」などの舞踊作品で主人公を務めていたパク・エラに対しては、物心両面の支援を惜しまなかった。