北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は29日、ニューヨークで開催中の第73回国連総会で演説し、「(非核化に向けた)朝米共同声明の履行が膠着している原因は、米国が信頼づくりよりも強権に執着しているためだ」と述べるとともに、「それが招く予測不能な結果の最大の犠牲は米国自身になる」と警告した。朝鮮中央通信が30日付で伝えた。

李氏は、「金正恩委員長は朝鮮半島を核兵器も、核脅威もない平和の地盤につくるための確固たる意志を持って果敢な首脳外交活動を繰り広げた」として、非核化の意思を改めて表明。6月の朝米首脳会談で発表された共同声明は円滑に履行されねばならず、「そのためには何よりも朝米両国が信頼づくりに手間をかけなければならない」と主張した。

そのうえで李氏は、非核化と朝鮮半島の平和体制構築は「同時行動の原則に基づいき、可能なことから一つずつ段階的に実現していかなければならない」と強調。「しかし、これに対する米国の相応な応えを、われわれは見られずにいる」と不満を露わにした。

また、「米国の政治的反対派は単に政敵を攻撃するための口実として、朝鮮を信じられないと中傷している」と指摘。暗にトランプ米大統領を擁護しつつ、朝米対話に懐疑的な勢力に批判の矛先を向けた。

同通信の報道全文は次のとおり。

朝鮮代表団団長、朝鮮半島の平和と安全を強固するうえでかなめは朝米共同声明を徹底的に履行することだ

【平壌9月30日発朝鮮中央通信】朝鮮代表団団長である李容浩外相が29日、第73回国連総会全員会議で演説した。

李外相は、朝鮮国務委員会の金正恩委員長は朝鮮半島を核兵器も、核脅威もない平和の地盤につくるための確固たる意志を持って果敢な首脳外交活動を繰り広げて北南関係と朝米関係を改善し、周辺諸国との友好・協力関係を活性化するための重大な突破口を開いて朝鮮半島の情勢を劇的に緩和させる新たな局面をもたらしたと述べ、次のように言及した。

朝鮮半島の平和と安全を強固にするうえでかなめは去る6月、シンガポールで行われた歴史的な朝米首脳の対面と会談で合意、採択された朝米共同声明を徹底的に履行することである。

朝米共同声明が円滑に履行されるようにするためには数十年間にわたって積み重なってきた朝米間の不信の障壁を崩さなければならず、そのためには何よりも朝米両国が信頼づくりに手間をかけなければならない。

朝鮮半島非核化も信頼づくりを先行させることに基本を置いて平和体制構築と同時行動の原則に基づいて可能なことから一つずつ段階的に実現していかなければならないというのがわれわれの立場である。

しかし、これに対する米国の相応な応えをわれわれは見られずにいる。

李外相は、朝米共同声明の履行が膠着に直面した原因は米国が信頼づくりに致命的な強権の方法に執着しているためだと強調し、次のように続けた。

最近、北南関係で現れている改善と協力の雰囲気は信頼づくりがどのような決定的な役割を発揮できるのかをよく示している。

米国の政治的反対派は単に政敵を攻撃するための口実として朝鮮を信じられないという中傷をこととしており、われわれが受け入れられない無理な一方的要求を持ち出すことを行政府に強迫して対話と協商が順調に進ちょくしないように妨げている。

対話の相手に対する不信を鼓吹しながら強権の方法にのみ執着するのは決して信頼づくりに役立たず、むしろ相手の不信をいっそう増大させることになるだけである。

朝米首脳会談の最も重要な精神の一つは、双方が旧態から脱して完全に新しい方式で問題を解決していくことで合意したことである。

米国はこのかなめの時刻に自分がシンガポールでした約束を誠実に守るのが究極的に米国の国益へつながるという先見の明ある判断を下して朝米関係解決の新しい方式を堅持しなければならず、ただそうなってこそ朝米共同声明ははじめてその履行の展望を見通せるようになるだろう。

朝米共同声明が結局米国の国内政治のいけにえになるなら、それから招かれる予測不可能な結果の最大のいけにえはまさに米国自体になるであろう。

朝米関係と朝鮮半島問題を解決するのは本総会のテーマに選定された「みんなに必要な国連建設、平和で、平等で、持続的な社会のための世界的な指導力と共同の責任」を実現するうえで核心の中の核心事項となる。

李外相は、朝米共同声明を履行するのは朝鮮と米国の共同の責任であると同時に、これには国連の役割もあると述べた。

朝鮮半島の緊張状態についてそれほどよく「懸念」を表明していた国連安保理が今年、朝鮮半島に到来した貴重な平和の気流に対していまだに顔を背けているのは決して正常だと言えないと強調した。

むしろ、国連安保理は朝米首脳会談と共同声明を歓迎する議長声明を発表することに関する一部の加盟国の提議までも拒否する極めて懸念を持たせる態度を示していると述べた。

李外相は、国連は本総会のテーマを朝鮮半島問題解決のための実際の行動に具現することによって、国連安保理はすなわち米国という汚名を一日も早くすすぐべきだと強調した。---

    関連記事