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今月9日の70回目の9.9節(建国記念日)を前に、北朝鮮では関連行事の準備が大々的に行われたが、それに動員された市民が、幹部のわがままのせいで右往左往させられる事態となった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、清津(チョンジン)市や各区域の労働党委員会は、9.9節の行事に向けて、多くの市民を動員し、金日成主席、金正日総書記の銅像がある広場へとつながる目抜き通りの補修工事を行った。

骨折り損のくたびれ儲け以外の何物でもない動員に市民は当然のことながら不満たらたらだが、それを倍増させるような出来事が起きた。

現場では複数の幹部が交代で指揮にあたったが、人によって指示の内容が異なるのだ。例えば、最初に来た幹部に「通り沿いに花壇を作れ」と命じられそのとおりにやったが、次にやってきた幹部には「花壇の幅と長さが気に入らない」という理由でやり直しさせられると言った具合だ。

これは単純な連絡ミスによるものではなく、意図的なものだ。実績づくりに必死な幹部たちは、一度完成したものを取り壊させ、また新たなものを作らせ、実績にするという馬鹿げたことを市民に強いているのだ。

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こういうことが繰り返された結果、怒った市民が幹部に食ってかかり激しく抗議するなど、お祝いムードもどこへやら、殺伐とした雰囲気が漂っていたという。

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「祝日となれば、ともかく市民を動員して工事を始める」と地方政府批判を始めたのは、両江道(リャンガンド)の情報筋だ。恵山(ヘサン)市の党委員会は、都市美化事業の名目で市内の通りに花壇を作ることにしたが、ここでも現場で監督する幹部ごとに指示内容があべこべで、市民が怒っているという。また、資材の提供を求められたことへの不満も強い。

通常の政治行事や動員なら、ワイロを払うなどしてサボることも可能だ。市場経済化が進む北朝鮮では、多くの人が市場での商売で収入を得ている。動員されれば商売の時間が短くなり、その分損をするのだ。しかし、今回の行事は9.9節関連とあって、サボるわけにいかない。下手なことをすれば政治犯扱いされかねないからだ。

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同じように行事に動員された平壌の若者たちは、シュプレヒコールの練習に汚い言葉を混ぜて叫んだり、「頭のスイッチを完全に切ったり」して、何とか耐え忍ぼうとしている。

(参考記事:「付き合ってられねえ」北朝鮮の若者たちが金正恩氏の方針に不満