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豆満江を挟んで中国吉林省延辺朝鮮族自治州の琿春と向かい合う、北朝鮮・羅先(ラソン)の元汀里(ウォンジョンリ)税関。そこに国際市場がオープンした様子が、デイリーNKのカメラに捉えられた。増加する中国人客を呼び込むためのものと思われる。

デイリーNKの対北朝鮮情報筋によると、市場がオープンしたのは今月7日のことだ。オープン直後とあって、人出はさほど多くないものの、間もなく迎える観光シーズンには盛況となるのではないかと情報筋は見ている。

国際市場の建物は、中国人ビジネスマンの投資で昨年に完成していたが、中朝関係の悪化でオープンできずにいた。しかし、中朝首脳会談が相次いで開かれるなど雪解けムードの中で、中国人観光客も急増。これを受けてオープンに踏み切ったものと思われる。羅先市当局は、入居する商人の募集に積極的になっているという。

(参考記事:急増する中国人観光客を「軍用装備」で輸送する北朝鮮

中朝国境の北朝鮮側には、中国企業が投資して中国人観光客を呼び込むための施設がいくつも作られている。中国の丹東と向かい合う北朝鮮の新義州(シニジュ)の鴨緑江の川べりには、丹東中国国際旅行社の投資で建設された新義州上陸園区がある。新義州半日ツアーに参加する中国人観光客が訪れるコースとなっている。

この市場について、一部では国連安全保障理事会の制裁決議で禁じられた海産物の輸出の隠れ蓑になるのではないか、との指摘が一部からなされている。

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市場で売られているのは主に野菜などの農産物、干し魚などの海産物で、もちろん北朝鮮産だ。干し魚は厳密に言えば制裁対象の品目だが、中国当局と何らかの手打ちをしておおっぴらに売っているのではないかと情報筋は見ている。

北朝鮮で高官を務めた経験を持つ脱北者はこの市場について「中国人観光客を対象にした一種の免税店」だとし、「中国に戻る観光客がお土産として持ち帰るものに関して、中国税関が目をつぶる方式も可能だろう」と述べた。

北朝鮮が最近、中国との国境地帯にオープンさせた国際市場(画像:デイリーNK対北朝鮮情報筋)
北朝鮮が最近、中国との国境地帯にオープンさせた国際市場(画像:デイリーNK対北朝鮮情報筋)

情報筋は「ただし、今のところ中国の税関の厳しい検査で止められてしまうので、中国人観光客は海産物を持ち帰らず、羅先で腹いっぱい食べて帰る」と述べた。つまり、制裁が緩和されるのを見越してあらかじめオープンした模様だ。

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中国当局の厳しい取り締まりで、一時は中国の市場から姿を消していた北朝鮮産の海産物だが、最近に入って復活しつつあるという。