北朝鮮当局は、中朝国境の税関に勤める職員全員を入れ替える措置を取った。横行する不正行為の防止が目的だ。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、今年5月末、羅先(ラソン)の元汀里(ウォンジョンリ)税関の職員が任期満了前に全員別の部署に移動させられた。

中朝首脳会談が行われたことをきっかけに、両国の貿易が回復する兆しを見せ、中国人観光客が増加しているところに行われた今回の措置に、様々な憶測が飛び交っているという。

税関職員の勤務期間は原則として3年となっているが、職員らはその3年間に一生分の収入を確保するため、手段を選ばずカネ儲けに走る。

貿易業者や行商人に高価な商品を通関させる条件で、「通関税」の名目でワイロを要求する手口が一般的だ。ご禁制となっている韓国製の化粧品、高級食品、医薬品、スポーツ用品などは、通関税の相場が跳ね上がる。

(参考記事:中国で謎の「韓国製品爆買い」に走る北朝鮮の幹部たち

別の情報筋によると、職員が全員入れ替えられたことで、元汀里税関の通関検査がさらに厳格になった。ほとんどの品物を検査するふりだけして通関させていたが以前とは異なり、個人の所持品や携帯電話の中身まで厳しく検査し、殺伐とした雰囲気になっている。今では定期的にワイロを渡して楽に通関をさせていた貿易業者は当惑しているとのことだ。

元汀里税関は、穏城(オンソン)の南陽(ナミャン)税関や茂山(ムサン)の七星(チルソン)税関と比べて、国家保衛省(秘密警察)、朝鮮人民軍(北朝鮮軍)系列の外貨稼ぎ機関との取り引きが多く、力のある機関ほど巨額のワイロを渡している。

中国当局が、国境監視のタガを緩めたことから密輸が横行し、北朝鮮の国家機関が大々的に介入していると報じられている中での、今回の職員総入れ替えの措置だが、厳しい検査はそう長続きしないだろう。

たいした給料がもらえない税関職員は、結局ワイロを受け取る以外に生計を成り立たせる方法がないからだ。ありとあらゆる権限がワイロの源泉となるのが、共産主義ならぬ拝金主義が国を動かす北朝鮮の現状だ。