一時は激減していた北朝鮮を訪れる中国人観光客が、再び増加している。これを受けて、北朝鮮の税関は休日にも業務を行うようになった。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)の情報筋によると、羅先(ラソン)の元汀里(ウォンジョンリ)税関はもともと、休日は通関・出入国業務を行っていなかった。ところが最近になって、休日にも業務を行うようになった。

休日に出入国ができるのは、外国人観光客を乗せた観光バスに限られる。バスツアーは2〜3日で清津(チョンジン)、七宝山(チルボサン)、羅先を巡るコースが一般的だ。別の情報筋は、羅先国際観光社と契約を結んだ中国吉林省延辺朝鮮族自治区の延吉、琿春の旅行会社が、北朝鮮ツアーを積極的に販売し、様々なツアーを用意し、風変わりなスポットを紹介するなどしたことで、北朝鮮旅行に興味を持つ中国人が増えつつあると述べた。

(参考記事:実は近くて普通に行ける、北朝鮮旅行

1泊2日の羅先ツアーの旅行代金は800元(約1万3800円)ほどだ。一方、CTRIPなどの大手旅行サイトは、昨年4月に北朝鮮ツアーの取り扱いを停止し、未だに再開していない。情報筋は、こうした措置が一時的なものか、恒久的なものはわからないと述べた。

北朝鮮政府は観光を貴重な外貨収入源と位置づけ、2020年には外国人観光客200万人を受け入れると大風呂敷を広げた。しかしこれまでの実績は、2015年の時点で15万人程度に留まっている。

北朝鮮は現在、大規模リゾート「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」の開発を急ピッチで進めている。旧ソ連時代に北朝鮮に留学した経験を持つ韓国国民大学アンドレイ・ランコフ教授はRFAの番組で、北朝鮮観光について次のように提言した。

「北朝鮮が観光で成功するには2つの要素が必要だ。ひとつは中国人、特に地理的に近い東北地方の中国人が気軽に行ける安いツアーの商品化。2つ目は北朝鮮を『共産主義テーマパーク』と考える西洋人向けに少々高価でも質が高くて多様なツアーを開発することだ」

「馬息嶺(マシンリョン)スキー場は成功しない。わざわざスキーをするため北朝鮮まで行く旅行客はいないだろう。北朝鮮は世界の需要がまったく読めていない」

一方で、経済制裁により縮小した対中貿易は、回復したとは言えないようだ。前述の情報筋は「まだ平日に税関を通過する車両の台数を見ると、中国での対朝鮮貿易が増えたと判断するのは難しい」「中国人観光客や中国に派遣されている私たち(北朝鮮)の労働者を中心に出入国人員は大幅に増加した」と述べた。