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北朝鮮当局が、核関連の技術者を病院に隔離収容したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じている。平安北道(ピョンアンブクト)の情報筋がRFAに語ったところによると、技術者の中には家族とともに入院させられたケースもあり、単なる医療目的ではない可能性があるという。

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情報筋によれば、隔離措置が取られたのは、先月24日に豊渓里(プンゲリ)の核実験場が爆破される前のことだという。

この病院は、平安南道(ピョンアンナムド)の安州(アンジュ)市郊外にある原子力総局傘下の131指導局のもので、原子力研究所と核開発に関連した技術者のための医療施設。情報筋は、政府高官から核技術者を多数入院させたとの話を聞いたという。病院の周囲は武装した兵士が警備しており、部外者の立ち入りは禁じられている。

安州に隣接する寧辺(ニョンビョン)には核開発施設、价川(ケチョン)にはウラン鉱山があるなど、この地域は北朝鮮の「核開発団地」となっている。この辺りは放射能汚染がひどいとも言われる。

RFAの複数の情報筋はいずれも、隔離の理由について「わからない」としている。ただ、北朝鮮当局は豊渓里のほかにも、小型化された核兵器の実験に使える施設を秘密裏に造成中であるとの情報もある。

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もしかしたら、米国や国際機関の査察から、一定数の人員を隠すことが目的なのかもしれない。また、豊渓里近くには、悪名高き政治犯収容所「16号管理所」(化成〈ファソン〉収容所)が存在する。ここに収容された政治犯が、核実験施設で防護服なしで強制労働させられていたという情報もある。

(参考記事:北朝鮮、核施設で「強制被ばく労働」させられる政治犯たち

事実ならば重大な人権侵害であり、北朝鮮当局としては、こうした秘密を知る関係者を口止めする必要を感じていることだろう。

北朝鮮は外部世界との接触を巡り、すぐに関係者たちを隔離したがる傾向がある。目的が何であるにせよ、核技術者たちの病院収容は事実である可能性は低くないと言えよう。

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高英起(コウ・ヨンギ)

1966年、大阪生まれの在日コリアン2世。北朝鮮情報専門サイト「デイリーNKジャパン」編集長。北朝鮮問題を中心にフリージャーナリストとして週刊誌などで取材活動を続けながら、テレビやラジオのコメンテーターも務める。主な著作に 『脱北者が明かす北朝鮮』 『北朝鮮ポップスの世界』 (共著) 、 『金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔』 『コチェビよ、脱北の河を渡れ ―中朝国境滞在記―』 など。

脱北者が明かす北朝鮮 (別冊宝島 2516) 北朝鮮ポップスの世界 金正恩 核を持つお坊ちゃまくん、その素顔 (宝島社新書) コチェビよ、脱北の河を渡れ―中朝国境滞在記