北朝鮮の朝鮮労働党機関紙・労働新聞は30日、「ブルジョア道徳が支配する資本主義社会では、あらゆる社会悪がはびこり、腐敗堕落した生活風潮が氾濫している」などとする署名入りの論説を掲載した。朝鮮中央通信が伝えた。
論説は、「資本主義政界では蓄財の手段である権力の座につくために権謀術数を弄し、互いに噛みつく行為がありふれたこととなっている。お金と個人の名誉、享楽のためなら殺人、強姦、拉致、人身売買、窃盗、詐欺もいとわない」などとして、口をきわめて資本主義社会を罵倒している。
北朝鮮国営の海外向けメディアである同通信は従来、労働新聞など国内の主要紙に掲載された論評のうち、安保・外交問題で日米韓を非難する内容のものを優先的に伝えてきた。
最近になり、近く予定されている米朝首脳会談や、対話を重ねている韓国に配慮してか、両国に対する非難の強度は低下している。替わって資本主義を非難する論評を紹介しているのは、北朝鮮が韓国や米国との対話を進めるとしても、「改革開放」のような体制の見直しに進む意図はないと示唆するためである可能性がある。