韓国のソウル中央地検は15日、朴槿恵政権時代に国家情報院(国情院)が中国の北朝鮮レストランで働く女性従業員らを強制的に集団脱北させた疑いがあるとして、公安2部が捜査に乗り出したことを発表した。
核開発を巡り国際社会の経済制裁が強められるまで、北朝鮮の外貨稼ぎの柱のひとつだった北朝鮮レストランは、ときにアイドル並みの容姿を誇る美人ウェイトレスも配置され、韓国人の間でも人気だった。それだけに、集団脱北が発生した際には世間の大きな関心を集めた。
(参考記事:美貌の北朝鮮ウェイトレス、ネットで人気爆発)この出来事を巡っては、北朝鮮が直後から韓国当局による「誘拐拉致」であると主張。さらに韓国国内においても、革新系の弁護士団体「民主社会のための弁護士の会」(民弁)などが、国情院による「企画脱北」ではないかと疑惑を提起していた。
女性従業員らは2016年4月、中国浙江省寧波市の北朝鮮レストラン「柳京食堂」から集団で離脱し、間もなく韓国入りした。韓国政府はこの事実を即座に発表したが、総選挙を数日後に控えたタイミングだったことから、「脱北は(選挙に影響を与えるために)企画されたもの」との疑いを呼んだのだ。