韓国政府は一貫して、従業員らは自らの意思で脱北したと説明してきた。ところがところが韓国の放送局であるJTBCは今月10日、女性従業員らと一緒に脱北したレストランの男性支配人、ホ・ガンイル氏のインタビューを放映。ホ氏はその中で、国情院の担当者から従業員を連れて脱出するよう教唆を受け、従業員たちを脅して連れ出したと告白した。
これが事実か否かは、検察の捜査によっていずれ明らかになるだろう。
問題はその後だ。韓国政府はこれまで、たとえ本人が希望しても、脱北者が本国へ帰ることを許さなかった。これには、人道的な見地から問題がないわけではない。しかし、「韓国に来てみたけど、期待はずれなのでやっぱり帰る」ということを許容してしまうと、北朝鮮の工作員は脱北者に偽装し、容易に韓国社会に浸透できるようになる。
そうでなくとも、北朝鮮は脱北者に対する様々な工作活動を繰り広げてきた。故郷の家族を人質に取られている脱北者は、北朝鮮当局の工作に対しぜい弱なのだ。
(参考記事:美人タレントを「全身ギプス」で固めて連れ去った金正恩氏の目的)