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北朝鮮の金正恩党委員長は今年3月、中国を訪問し習近平国家主席との首脳会談を行った。金正恩氏は専用列車を利用して訪中したが、乗車地点は平壌ではなく、中朝国境に面した新義州(シニジュ)であったことがわかった。

最近中国に派遣された北朝鮮政府の幹部は、デイリーNKの取材に金正恩氏の訪中ルートを次のように説明した。

金正恩氏は3月25日、平壌郊外の大城(テソン)区域の高山洞(コサンドン)にある観光飛行場から専用機に乗り、午後9時過ぎに市内中心部のすぐ南にある新義州(シニジュ)飛行場に到着後、南東に約8キロ離れた石下(ソッカ)招待所に移動した。

一方の専用列車は、金正恩氏が平壌を離れる2日前の3月23日、車両を何編成にも分けた上で秘密裏に石下招待所まで回送された。金正恩氏はそこで列車に乗り込み、3月25日午後11時ごろに中国の丹東に到着した。この招待所には、専用列車を隠すためのトンネルや専用のホームが存在し、その一部はグーグルマップの衛星写真でも確認できる。

金正恩氏の訪中を秘密裏に行うために、新義州市は3月20日から宿泊検閲を行った。これは違法な民泊など、民家に住民以外の人が無届けで宿泊していないかを取り締まるものだ。また、一部では通行禁止措置が取られた。

(参考記事:男女密会に殺人事件も…北朝鮮版「民泊」のアブナイ実態

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平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋も、そのことを確認した。人民保安省(警察庁)は3月19日、「反社会主義、非社会主義行為に加担する者を厳罰に処すことについて」という布告を出し、大々的な取り締まりを行った。

それが、金正恩氏の訪中を隠すためのものであったことは一連の訪中が終わった後に気づいたと情報筋は語った。昨年末または今年の初めから展開されていた国家保衛省(秘密警察)による非社会主義現象への取り締まりに加え、新たな布告が下されたことで、国境地帯は鼠一匹逃さないほどの厳重体制が敷かれたとのことだ。

(参考記事:「コメの値段を外国にバラしたら終身刑」北朝鮮が情報統制