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先月27日の南北首脳会談を受けて、北朝鮮当局は中国に駐在する貿易関係者に対する教育を始めたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

遼寧省の丹東に駐在する北朝鮮の貿易関係者によると、南北首脳会談の翌日の先月28日、北朝鮮領事館で丹東駐在の貿易代表や関係者を対象とした講演会が行われた。内容は以下のような、会談を成功に導いた金正恩党委員長の偉大さについてだ。

「国と民族の運命を案じる最高指導者(金正恩氏)が、板門店の分離線(軍事境界線)を越えて南朝鮮(韓国)の大統領に会って北南経済協力に必要な実質的な対策を立てた」 「大胆な胆力と千里慧眼で核実験の中止と核実験場の廃棄という決断を下し、わが国は新たな転換点を迎えた。断絶されていた北南経済交流が開かれるだろう」

当局は、金正恩氏が訪中し中朝首脳会談を行って以降、中国との貿易環境は北朝鮮にとって有利に展開しつつあるとの宣伝を行い、米朝首脳会談が行われれば経済制裁は解除され、朝鮮は貿易大国になるだろう、と言っているという。

一方、別の情報筋によると、北朝鮮当局は昨今の情勢を利用して、各貿易会社に対して外国からの投資を誘致し、合弁会社の設立を推し進めよとの指示を下した。中でも「電力問題を解決する送配電設備、発電設備の資金を誘致せよ」というのが最優先課題だ。

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平壌からは、中国に駐在する貿易関係者に対して「南朝鮮(韓国)からの投資も躊躇せずに、緊密に交渉を行って成就させよ」との話があったという。

かつて、北朝鮮の貿易関係者は韓国の企業関係者と秘密裏に会い、中国を迂回して北朝鮮国内の工場に加工を委託したり、韓国製品の売買を行ったりしていたが、2016年に起きた北朝鮮レストランの女性従業員の集団脱北などを受けて、韓国人との接触が難しくなっていた。

(参考記事:北朝鮮、中国訪問者に「韓国人とは絶対に接触するな」

南北首脳会談を受けた思想教育は、北朝鮮国内の幹部や一般住民を対象にも行われるようになったが、その内容は貿易関係者になされたものとは異なり、一連の「非社会主義現象取り締まりキャンペーン」と軌を一にするものだ。

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両江道(リャンガンド)の情報筋によると、現地では各勤労団体、人民班(町内会)などで「敵の思想文化的浸透策動を叩き潰すための闘争に皆が立ち上がろう」というタイトルの講演会が行われている。

その中身は、南北首脳会談を受けて韓国との交流が拡大するからと、平和がひとりでにやって来ると思ってはならない、こういう時こそ敵の狡猾な策動を注視しなければならないというものだ。また、韓国や外国からの経済的な援助を望むような「たわ言」を言う人が出ないよう、対策を立てることが話し合われたとのことだ。