ところが実際には、横流しで質が悪くなったお菓子が、国の最高指導者の威厳を傷つける結果につながっている。
平壌の小学校では、お菓子をぶつけ合って合ういたずらをするという「政治事件」が起きてしまった。
(参考記事:正恩氏のお菓子セット、マズすぎで政治事件化)お菓子よりも横流しの影響を深刻に受けているのは、「武器を持った社会的弱者」と言っても過言ではない朝鮮人民軍(北朝鮮軍)の末端兵士たちだ。
兵士たちの食糧は、協同農場からの輸送過程で横流しされ続ける。食糧を受け取った軍の幹部は、ただでさえ目減りしてしまった食糧を横流ししたり、市場に売り払って別の安いもので埋め合わせたりする。
銀シャリを腹いっぱい食べられるはずの兵士に与えられるものは、トウモロコシ飯やジャガイモなどの貧相な食事だ。