北朝鮮の食糧工場は今月に入ってからフル稼働を続けている。光明星節(2月16日の金正日総書記の生誕記念日)に子どもたちに配るお菓子セットを生産するためだ。人手が足りないため、朝から晩まで16時間働き詰めの技術者も少なくないという。
当局は「忠誠心で自力更生せよ」などと言って残業代を一切払わないが、それでも労働者たちはほくほく顔だ。上から不満を抑えつけているわけでも、彼らが金正恩党委員長への忠誠心で満ち溢れているわけでもない。デイリーNKのカン・ミジン記者は、その内幕を次のように説明した。
工場は、お菓子セットの材料を自力で調達することを求められる。国家指導者の名のもとに配給されるものだけあって、調達できなければ政治問題に発展し担当者のクビが飛びかねない。そのため中国から輸入したり、住民から徴発したりして材料がかき集められるのだが、その量は見る見るうちに目減りしていく。工場の労働者たちが、横流ししているのだ。
(参考記事:金正恩氏の「プレミアムお菓子セット」を独占入手!…党大会のお土産用)