ちなみに指示書には、昨年11月に日本海を漂流中に救助された後に北朝鮮に帰国した船員の取り調べの内容が詳細に書かれている。スパイの任務を帯びた船員は、ミッションを終えて無事帰国したのであり、これは模範的事例だという内容だ。無理な出港による遭難拡大を取り繕うための「方便」と思われる。
一方、北部の中朝国境地域では、中国キャリアの携帯電話を使った中国、韓国との通話への取り締まりが強化されている。
米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は、両江道(リャンガンド)の情報筋の話として、道の保衛局が、国境地帯にロシア製の新型電波探知器30数台を設置したと報じた。同様の措置は東隣の咸鏡北道(ハムギョンブクト)でも行われた。
保衛局は、新型電波探知器が設置されたことを広報すると同時に、通話が摘発されれれば6ヶ月以上の労働鍛錬刑に処すと脅している。
通話を完全に遮断してしまえば、合法・非合法を問わず中国との貿易がシャットダウンされ、地域経済に打撃となるが、その心配はないようだ。今までのようにワイロでもみ消す行為が横行しているからだ。