北朝鮮の食糧事情を巡っては不足ぎみとする見方と、概ね足りているとする見方がある。国連の食糧農業機関(FAO)は、2017年の北朝鮮のコメ収穫量は140万トンで、前年の170万トンより減ったとし、食糧不足国家に指定した。しかし、食糧が不足しているなら上がるはずの食糧価格は、昨年12月以降はむしろ下落している。
北朝鮮の庶民は喜んでいるかと思いきや、逆に不安心理が広がっていると両江道(リャンガンド)のデイリーNK内部情報筋が伝えた。
そもそも多くの北朝鮮国民は、食糧を国から配給で得るのではなく、自作したり市場で買ったりしているが、国際社会の経済制裁による不況で現金収入が減少。そのため不安になっている人が多いようだ。
実際、ヤミ金業者からの借金を返す目途が立たないため、年末年始に帰省もできず、路上で商売に励む人もいる。また、市場を訪れる消費者も少しでも安いものを求めてあちこちの店を渡り歩いている。
(参考記事:ヤクザの暴力的な取り立てが横行…北朝鮮で「闇金トラブル」が増加)また、この地方では8月に季節はずれの霜が降りて凶作となったことも、不安心理をさらに煽っているようだ。
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