北朝鮮の今年のコメ収穫量は昨年より30万トン減少したが、北朝鮮国内のコメ価格は安定している。

米政府系のボイス・オブ・アメリカ(VOA)によれば、国連食糧農業機関(FAO)は最近発表した報告書で、北朝鮮の今年のコメ収穫量について、昨年比30万トン減の140万トンと推計している。これは、2013年から2015年までの1年当たりの平均収穫量(160万トン)よりも少ないとも指摘している。

FAO農業経済情報局のアブバシアン局長は、VOAの取材に対し、異常な干ばつをコメ収穫量減少の原因に挙げた。FAOは、人工衛星で北朝鮮の天候、降雨パターン、農地の規模を観測し、北朝鮮の農業政策と現地調査の結果を総合して収穫量を推測している。

北朝鮮の穀物価格は、国際社会の制裁強化による肥料不足、干ばつや冷害などの自然災害を受けて上昇するとの見方があった。一方で、食糧生産の減少幅は非常に小さいとする見方もあった。

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北朝鮮のデイリーNK内部情報筋によると、平壌、新義州(シニジュ)、恵山(ヘサン)の市場での11月第1週のコメ1キロの価格は5600北朝鮮ウォンから5800北朝鮮ウォンで、非常に安定している。(※1000北朝鮮ウォンは約13円)

ちなみに、北朝鮮が今年1月から10月までに輸入した穀物は約13万4000トン。昨年同期の4万5420トンより大幅に増加しているが、1990年代からの食糧難がようやく克服されつつあった2001年には、北朝鮮は年間149万4000トンの食糧を輸入し、並行して193万1000トンを輸入していた(韓国統一省調べ)。

一方で、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は今年10月、北朝鮮の貿易会社幹部の話として、首都平・壌の行政機関勤務者、社会保障および老年保障の対象者への配給が途絶えたと伝えている。

しかし、北朝鮮国民の大多数は市場などでの商売で生計を立てており、配給に依存して暮らしている人は一部に限られる。また、平壌のコメ価格が安定していることを考えると、配給停止は食糧不足によるものではなく、別の原因によるものである可能性がある。

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