北朝鮮の金正恩総書記は、ロシアへの派兵部隊をたたえる記念館の建設現場を視察し、4月中旬にも竣工式を行う方針を明らかにした。今年に入り同施設を訪れるのは4回目で、海外軍事作戦を「金正恩時代の新たな英雄叙事」として制度化し、体制結束の強化につなげる狙いがあるとの見方が出ている。

朝鮮中央通信が3日伝えたところによると、金正恩氏は「海外軍事作戦戦闘偉勲記念館」の建設現場を現地指導し、工事の進捗について「総建築工事量の97%段階にある」と説明。建設の仕上げ状況や内部展示、内装などを細かく点検し、完成準備を直接指揮した。

金正恩氏は同記念館について、「誇らしい息子たちの偉大な英雄精神を称える時代の記念碑であり、愛国主義教育の殿堂となる」と評価。その上で、4月中旬に戦没者の遺骨を安置する式典を厳粛に実施し、ロシア西部クルスク地域の解放作戦終結1周年に合わせて竣工式を行うと表明した。さらに、同施設を朝鮮人民軍総政治局の管轄下に置く機構案も承認した。

北朝鮮は昨年4月、朝鮮労働党中央軍事委員会の声明でクルスク地域の「解放作戦の勝利的終結」を宣言しており、節目となる今年4月中旬前後に大規模な追悼・顕彰行事を開催する可能性が高い。

金正恩氏は昨年10月の着工式にも出席するなど建設を継続的に指導してきた。娘の金主愛氏や夫人の李雪主氏が現地に同行する様子も公開され、最高指導者一家を前面に押し出した「象徴政治」の演出との指摘もある。

一方、金正恩氏は同日、娘のジュエ氏らを伴って平壌の和盛地区第4段階の建設現場も視察し、民生分野への関与をアピールした。同事業は、2021年の第8回党大会で打ち出された「平壌5万世帯住宅建設」事業の最終段階に当たり、北朝鮮が重点事業として推進している。

報道によると、区域内の各種サービス施設を巡り、運営準備の状況を点検。自動車技術サービス所やペットショップ、楽器店、理美容施設などを訪問し、住民生活に密着したインフラ整備の重要性を強調した。

金正恩氏は「都市区画における便益施設は文化的で衛生的な生活環境を形成するための不可欠な要素だ」と述べ、住民の美的要求や利便性に合致する運営を求めた。また「高まる物質文化的需要に応えるため、サービス水準を不断に向上させるべきだ」と指示した。