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北朝鮮では、秋の収穫が大詰めを迎えている。7月末の大洪水で北部では田畑が流されるなどの大きな被害を受けた。

作況は地域によって大きな差があるようだ。咸鏡北道(ハムギョンブクト)富寧(プリョン)の情報筋は、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)のインタビューに、地元当局の関係者の話として、今年の作況は例年よりよいと伝えた。

一方で、穀倉地帯の平安南道(ピョンアンナムド)のデイリーNK内部情報筋は、収穫量が例年より少ないと伝えている。その原因として大雨と猛暑を挙げている。

国は、収穫のうち計画分(ノルマ)をすべて強制的に買い上げる。それ以外にも朝鮮人民軍(北朝鮮軍)向けの軍糧米など、様々な名目で農民から搾取する。その後に分配と称していくらかを配給するが、その量は決して多くなく、農民は飢えに苦しんでいる。それが、今年はさらに減りそうだというのだ。

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平安南道徳川(トクチョン)の農場に務める50代のAさんは、今年の状況を次のように述べた。

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Aさん:今年は自然災害による被害で収穫量が減り、基準値の3分の2にようやく達した程度だ。われわれに配られる分配の量もとんでもなく減らされることが目に見えている。われわれ農民の食糧問題より、国の計画分を達成することが優先される。どうやって暮らしていけばいいのか、お先真っ暗だ。

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50代の農民Bさんも、このように嘆いている。

Bさん:一年中、汗水垂らして飢えに耐えながら働き、もう皆が死んでしまいそうだ。なんでこんな暮らしが続くのか。作況が悪ければ、そのしわ寄せは農民のところに来るが、作況が良ければ国が全部持っていってしまう。われわれ農民は、先祖から子孫に至るまで、飢えと苦しみから抜け出せずにいる。

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当局は、深刻な労働力不足を解消するために、都市在住の若者を半強制的に農村に送り込んでいる。定住して結婚し、子どもを持って未来の労働力も確保するというのが当局の目論見だが、送り込まれた人々は何とかして逃げ出そうとしている。子々孫々、貧困から逃れらないのが目に見えているからだ。