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7月末の大雨、洪水で深刻な被害を受けた北朝鮮の鴨緑江流域だが、8月21日付けの国営朝鮮中央通信は、被災地のひとつである慈江道(チャガンド)で災害復旧が進んでいると報じた。

しかし実際のところ、被災者は未だに飲み水すら確保できずにいると、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

慈江道(チャガンド)の情報筋は、水害から2カ月が経つというのに未だに飲み水問題が解決できていないとして、住民のほとんどが井戸水や川の水を飲んでいると伝えた。

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集中豪雨で鴨緑江が増水し、堤防が崩れる危険性があったことから、現地の朝鮮労働党委員会は住民を山に避難させた。平屋建ての建物は水の底に沈み、マンションには2階まで泥水が押し寄せた。

山から降りてこれたのは5日後のことだったが、平屋建ての建物は流され、マンションには泥水が溢れかえっていた。

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党委員会は、被災者に対してテントで暮らせるように措置を取ったので、雨風はしのげるようになったが、飲み水が問題だった。

「ほとんどの住民が20日以上、泥水を飲むしかなく、党に対する不満をぶちまけた」(情報筋)

泥水でコメを炊いても、トウモロコシ飯のように茶色くなってしまい、道路や鉄道が不通になったため援助物資も入ってこなくなった。

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「今回の水害の最大の被災地は慈江道」だと述べた別の情報筋は、その理由として軍需工場の存在を挙げた。

「慈江道は軍需工場が密集している地域で、すべて地下施設があるため、浸水の状況が深刻だ」(情報筋)

一部の軍需工場は壊滅状態とも言われている。北朝鮮当局は民生より軍需の復旧を急ぐ可能性が高い。

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慈江道は、他の地域の住民の立ち入りが厳しく制限されており、市場経済化が進展していた頃においても、他と違って住民の多くが国からの配給に頼って暮らしていた。そのせいで住民の生活力は弱いと言われている。また、外からの物資も円滑に入ってこない。

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当局は、慈江道の復旧に力を入れていると宣伝しているが、多くの被災者は未だにテントで暮らしており、不満と苦痛は日々大きくなっている。