最近、北朝鮮の中国との国境に接した地域で高熱、咳、喉の痛み、頭痛、筋肉痛などの症状を訴える人が急増している。高齢者や子どもの中には死亡するケースもある。
平安北道（ピョンアンブクト）のデイリーNK内部情報筋は、新義州（シニジュ）で上述のような症状を訴える人が急増していると伝えた。保健機関は、新型インフルエンザだと説明しているが、きちんとした検査や診断ツールがなく、インフルエンザなのか、新型コロナウイルスなのかは判別ができない。
（参考記事：北朝鮮式インフルエンザ予防は「キツすぎる鼻うがい」）市民は、40度近い熱が1週間以上続く場合、新型コロナウイルスにかかったのだろうと認識するという。
同じく中国との国境に接する両江道（リャンガンド）の情報筋も、「最近、高熱と咳の症状を示す患者が多くなった」「死者も少なくない」と伝えた。高齢者や子どもを中心に死亡例が発生し、地域住民は最近流行している病気が新型コロナウイルスの可能性が高いと判断しているという。
そんな状況だが、アセトアミノフェンなどの一般的な医薬品すら不足しており、症状が悪化しても薬なしで耐えるケースがほとんどだ。また、経済力のない市民は薬を買うことすら考えられないという。
人気記事：「女性１６人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面薬局に行けば、北朝鮮国内で製造した高麗薬（漢方薬）を購入することができるが、飲んでも効果が大きくないため、住民は好まないと情報筋は説明した。
そのうえで「各地に製薬工場が誕生し、人民たちの健康のために高麗薬を大量に生産しているが、人民が病気になったときに使える薬はない」「輸入薬もたくさん必要な状況」と述べた。
薬を入手できなかった人は、アヘンや覚せい剤を代用品として使っている。
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情報筋は「子どもたちが高熱を出して死にかけようとしているのに、薬がなくてビンドゥを少し噛ませる親の心情はいかばかりか」「このような状況がいつ終わるのか、もどかしいばかりだ」と嘆いた。