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北朝鮮では金正恩総書記の妹である金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党副部長が旗振り役となり、「愛国Tシャツ」キャンペーンが推進されている。国旗が描かれたTシャツを国民に購入・着用させるもので、特に貧しい地方では不興を買っている。

さらには10月10日の朝鮮労働党創建日を控え、当局が新たなキャンペーンを始めたと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

(参考記事:金与正氏が突然始めた「Tシャツ愛」キャンペーンに国民の反応は

平安南道(ピョンアンナムド)の情報筋が伝えた新たな愛国グッズはなんと、北朝鮮国旗が描かれた下着だ。安州(アンジュ)ポンプ工場では今月8日、当局から愛国下着が配給されたが、無料でも安価でもなく、市場価格より高く購入させられたとのことだ。

ちなみに国産の一般的な下着は、安州市場で1着3000北朝鮮ウォン(約51円)から1万ウォン(約170円)だが、国旗下着は8000北朝鮮ウォン(約136円)から1万5000北朝鮮ウォン(約255円)もする。食うや食わずの生活を贈っている北朝鮮の地方住民にとって、この負担は非常に痛い。

(参考記事:「カエルも食べない水草」で飢えをしのぐ北朝鮮の農民たち

当初、あまりにも高いとして労働者は配給を拒否しようとしたが、当局は「共和国旗(国旗)が描かれた下着を名節(祝日)の物資として供給するのは、労働者がこれを着用して、国と国旗に対する教示を心のなかに持つようにせよという朝鮮労働党の意思だ」と力説して、押し付けたという。

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独裁者の妹として「コワモテ」ぶりを強める金与正氏の影がちらつくだけに、労働者が最後まで拒否しきれるはずもない。

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キャンペーンの背景について情報筋は触れていないが、何らかの利権が絡んでいる可能性も考えられる。

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代金は、1週間以内に払うことを強いられ、当然のことながら、不満の声が上がっている。

庶民からは「値段も値段だが、国旗が描かれた団体服そのものが嫌だ」との声が上がっている。

国民が求めているのは、食糧だというのに、当局はこの愛国Tシャツ、下着キャンペーンのために、わざわざ生地を中国から取り寄せ、30種類もの衣類を国営の工場に作らせ、高値で押し付けているのだ。こんなことで愛国心が向上するわけがない。