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韓国のケーブルテレビ局、チャンネルAが2011年から放送している「いま会いに行きます」。韓国在住の脱北者が北朝鮮の政治、社会、生活、文化について語る、人気のバラエティ番組だ。

この番組のヒットをきっかけに、脱北者のメディア出演が飛躍的に増えたが、今ではYoutubeにも活躍の場が広がっている。中には英語や日本語で発信する人もいるなど、その数は増えつつある。

これが北朝鮮にとっては面白くないのだろう。北朝鮮当局は、国内に残った脱北者の家族に圧力をかけてやめさせるようとしている。

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咸鏡北道(ハムギョンブクト)のデイリーNK内部情報筋は、国家保衛省(秘密警察)の海外反探局、総合局、政治局の人員3人が今月15日から道内の清津(チョンジン)、穏城(オンソン)、茂山(ムサン)、慶源(キョンウォン)、会寧(フェリョン)など脱北者を多く出した地域を回っていると伝えた。

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彼らは、大量の書類を積んだトラックに乗り、各地の保衛部に書類を配布、脱北者家族に手渡すように指示している。そこに書かれている内容は、韓国のテレビやYoutubeで活動している脱北者個々人に関する情報だ。国家保衛省は、毎日せっせと韓国のテレビのみならず、Youtubeまでモニタリングしているということだ。

彼らは保衛部に資料を手渡し「いかなる形でも、顔出しして祖国(北朝鮮)について悪宣伝する越南逃走者(脱北者)の家族は、今後6親等まで(朝鮮労働党への)入党、学校推薦、幹部事業(幹部への登用)、(平壌への入市に必要な)平壌市承認番号の発行から無条件で除外する」と脱北者家族に伝えるよう指示した。

つまり、連座制を適用して、出世の道を完全にブロックすると警告したわけだ。しかし、そもそも身内に脱北者がいる時点で、成分(身分)が悪いとの扱いをされているので、このような警告がどれほど効果があるかはわからない。

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また、韓国で「顔出し」で活動している脱北者については、今後も1年に1回調査を行うとし、地元当局が脱北者家族を厳しく管理するよう伝えた。

指示に基づき、現地の保衛員は脱北者家族を訪ね、「南朝鮮(韓国)にいるお前の家族がいつどこで何回、悪宣伝を行ったか知っている」と資料を見せて、顔出しして悪宣伝を行ってはいけないと伝えたとのことだ。

また、脱北者本人が公開で活動を行わない場合には、家族にはその責任を問わないのが党の方針だとも伝えられた。両者が連絡を取り合っていることについては認識しつつも、直接の言及を避け、YouTubeなどでの活動の抑止を優先した形だ。

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さらには「南朝鮮で豊かな暮らしをしているという言葉を信じるな」「彼らは南朝鮮のゴミ捨て場で汚物扱いをされている」などと伝え、家族を頼って脱北しないよう警告した。

当局は、脱北者家族が脱北の可能性の高い「高リスク群」と考えており、あらかじめ釘を差したわけだ。しかし、これはまさに「豆腐に釘」で、条件さえ整えば韓国行きを目指している人は少なくないだろう。

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国家保衛省の人員は、国境に接していて脱北者を多く出した両江道(リャンガンド)、慈江道(チャガンド)、平安北道(ピョンアンブクト)を順番に回り、同様の作戦を展開するという。