北朝鮮の金正恩党委員長は12日、最高人民会議第14期第1回会議(2日目)で施政演説を行い、条件次第で米国との3回目の首脳会談に応じる意向を明らかにした。朝鮮中央通信が伝えた。
米トランプ政権はすでに、3回目の首脳会談開催を推進する方針を示しており、両国間での調整の行方が注目される。
金正恩氏は「現段階における社会主義建設と共和国政府の対内外政策について」と題した施政演説で、「社会主義強国の建設を目指す現段階の闘いにおいてわが共和国に提起される中心課題は、国の全ての力を経済建設に集中して社会主義の物質的基礎をうち固めることである」と述べ、核と経済の並進路線から転換し、経済発展に集中するとしたこれまでの方針を維持することを明らかにした。
また、「米国がわが国家の根本利益に背ちする要求をいわゆる制裁解除の条件として持ち出している状況の下で、われわれと米国との対峙はいずれにせよ長期性を帯びることになっており、敵対勢力の制裁も続く」として、制裁が長期化するとの認識を表明。「長期間の核脅威を核で終息させたように、敵対勢力の制裁突風は自立、自力の熱風で一掃しなければならない」として、自力更生で制裁を耐え抜く考えを示した。
また、「去る2月、ハノイで行われた第2回朝米首脳会談はわれわれが戦略的決断と大勇断を下して踏み出した歩みが果たして、正しかったかに対する強い疑問を抱かせ、米国に真に朝米関係を改善しようとする考えが本当にあるのかという警戒心を持つようにした」として、物別れに終わった米国との首脳会談に初めて言及。
人気記事:「女性16人」を並ばせた、金正恩“残酷ショー”の衝撃場面続けて「われわれももちろん、対話と協商を通じた問題の解決を重視するが、一方的に自分の要求だけを押し付けようとするアメリカ式対話法は体質的に合わず、興味もない」として、非核化を制裁解除の条件とする米国に改めて反発した。
その一方「私とトランプ大統領との個人的関係は両国間の関係のように敵対的ではなく、われわれは相変わらず立派な関係を維持しており、思いつけば何時でも互いに安否を問う手紙もやり取りすることができる」と説明。「米国が正しい姿勢をもってわれわれと共有できる方法論を探した条件で第3回朝米首脳会談をしようとするなら、われわれとしてももう一度ぐらいは行ってみる用意がある」との意向を明らかにした。
ただし、「とにかく、今年の末までは忍耐力を持って米国の勇断を待ってみるが、この前のように良いチャンスを再び得るのは確かに難しいことであろう」と述べ、米国との話し合いに一定の期限を設けるかのような考えを示唆した。