北朝鮮のインターネット事情

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北朝鮮は、世界で最もインターネットへのアクセスが制限された国だ。

米国の国際マーケティンググループ「We are social」とカナダのIT企業「Hootsuite」の調査によると、2018年1月時点の北朝鮮のインターネットユーザーは1万6000人、普及率は0.06%で、世界最低の213位を記録した。ちなみに212位は「アフリカの北朝鮮」と呼ばれる統制国家エリトリア(7万1000人、1%)だ。

そんな北朝鮮におけるインターネットのアクセスランキングを見ると、ネットの世界でも「韓流」の影響が見え隠れする。

アイルランドのアクセス解析調査会社「StatCounter」は、全世界250万以上のウェブサイトにトラッキングコードをインストールする手法でアクセスを分析し、集計結果を公表している。

同社の昨年2月から今年3月までの集計によると、北朝鮮で最も使われている検索エンジンはGoogleで、全体の92.74%を占めた。次いで中国の百度(2.13%)、米国のBing(1.66%)、ロシアのYandex(1.54%)の順だった。

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一方、ネットへのアクセスに使用したデバイスのメーカーを見ると、1位は中国のファーウェイ(31.78%)、2位は韓国のサムスン(23.11%)、3位はApple(19.19%)、そして7位には韓国のLG(2.67%)が入っている。

ネットユーザーの数から計算すると、北朝鮮では約3900人がサムスン、約450人がLGの製品を使っていることになる。もちろん、北朝鮮で韓国製品の販売、所有、使用は厳罰の対象だ。

ちなみにランキングの5位はその他(5.52%)、6位に不明(3.33%)が入っているが、北朝鮮製のスマホ「チンダルレ」、「アリラン」、「平壌」などがここに含まれているかは不明だ。

(参考記事:91年分の年収をはたいて買った北朝鮮スマホに隠された監視機能

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また、ブラウザの順位を見ると、Google Chrome(66.54%)、Firefox(17・07%)、Internet Explorer(6.1%)、サファリ(4.03%)の順だが、7位にサムスン社独自のブラウザ、サムスン・インターネット(0.61%)が入っている。

北朝鮮でインターネットへのアクセスが許されているのは、高級幹部、外交官、メディア関係者、技術系の学生などごく一部に限られている。おそらく高級幹部の一部が、中国などから持ち帰った韓国製のスマホなどを使って、自宅からインターネットにアクセスしているものと思われるが、詳細は不明だ。

北朝鮮当局は現在、「非社会主義現象」に対する大々的な取り締まりを繰り広げている。取り締まり対象の中には、韓流ドラマや映画の視聴、保管、流通などが含まれているが、これを取り締まる側の幹部が、韓国製のデバイスを使ってインターネットにアクセスしているようでは、示しが付くわけがない。