朝鮮人民軍 海外戦記/中東編(2)

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ベトナム戦争の最中、1968年を最後に金日成は社会主義陣営という言葉を使わなくなる。

ベトナムに派兵しながらも、その目的であった社会主義陣営における地位向上は遂げられず、仲間であるはずの中国とソ連はダマンスキー島で武力衝突まで起こした。もはや社会主義陣営への幻想を捨て、外交の新天地を求めるときだと悟ったのだろう。

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そして北朝鮮は、1972年からは国連での地位向上を目指すようになり、ライバルの韓国に続いてオブザーバーとして加盟。自国への支持を拡大しようと、社会主義国家のみならず第三世界の国々との交流を深めていった。

イスラエルへの復讐に燃える

エジプトではこの頃、1970年9月28日に大統領となったアンワル・アル=サーダートが、ソ連の支援を受けながら対イスラエル戦の準備を進めていた。1967年6月に勃発した第3次中東戦争でガザ地区とシナイ半島をイスラエルに占領されており、その復讐のための戦争でもあった。